「自分の意見を言う」のはなぜ大事なのか?

逆説的コミュニケーションの技術

戦略コンサルタントを経て、現在、投資ファンドで地方の中小企業の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「事業の収益構造」といった堅い話から、 「どのように社員のやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。

行為せざるものは、最も過酷な批判者

物事がうまくいかなかったときに、「だから言ったじゃないの」と言う人がいます。私の中でとても違和感を覚える言葉のひとつで、この言葉が発せられた瞬間に、その人は信用に値しない人だと感じてしまいます。

「だから言ったじゃないの」と言われること。もし前からダメだと思っていたのならそのときに止めてくれと。そこで止めないのなら後は委任してくれと。任せてくれと。

「行為する者にとって、行為せざる者は最も過酷な批判者である」たしか評論家の伊藤肇の言葉だったと思います。

私は、できるビジネスパーソンの要件をひとつだけ挙げるとすれば、「自分の意見を言うこと」がすぐに思い浮かびます。当たり前に聞こえるかもしれませんが、私たちは意外とビジネスの中で自分の意見を言っていないものです。人に説明したり説得したり動いてもらったりするとき。想像してみてください。

「この資料によると……」とか、「今日の新聞に出てましたが……」とか、「……をするなんて社長が許さないでしょう」とか、言いたいことにこのような枕詞をつけたコミュニケーションのアプローチというのは、意外と多くないでしょうか。もちろん私も、自分で戒めておきながら、気づかないうちに使っていたりもします。

今日はそんな内容について、考えてみたいと思います。

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