日頃、経営者の方々と話をしていて、「改革」という言葉をよく聞くようになりました。アベノミクスで景気が回復したと言われても、これからも会社が生き残るためには、そうとうハードな手を打たなければならない……という認識があるからなのでしょう。先日、対談した流通業の経営者は、
「わが社は販路の改革、社員の意識改革、時間管理に関する改革など、改革すべきことが山積みです」
と語っていました。ちなみに、その会社は業界でも最大手クラス。それでも改革すべきことが山積みとは驚きでした。
そんな、会社の改革のひとつ、「人事・組織の改革」を検討する企業が増えています。長く低迷していた企業が再浮上するためには、賃金・評価といった人事労務制度の見直しと、従業員の意識・組織風土の改革という両面から対応する必要がある――。そう感じている経営者が多いからでしょう。当方も、日頃の人事コンサルティング業務で、組織改革の相談を頻繁に受けるようになりました。さらに
「そもそも、うちの会社の社員たちは、どんな価値観を持って働いているのだろうか? われわれ経営陣とはそうとうなギャップがあるのだろうか?」
と質問を受けることがよくあります。それだけ、現場の社員が何を考えているのか、わからない状態になっているからでしょう。
どの世代も重視していた「情報収集」
そんな質問に対して、参考になる報告が発表されました。日本能率協会が実施した働き方に関する意識調査です。この調査によると、年代や性別などによって違いの大きいことが明らかになっています。
たとえば、現在の勤務先に対して愛着があるか?という問いに対して、「感じている」と答えた比率は30代が最低。40代では約半分でした。また、女性は成功を支えるメンバーを8割が志向しており、リーダーになりたい人は2割程度と少数。男性に比べると、リーダー志向の人が非常に少ない状況でした。女性の管理職を増やしたいものの、なかなか実現しない会社の苦悩の背景が垣間見られる調査結果です。
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