けったいな文化を変え100年続く会社に シャープの髙橋興三社長に聞く
髙橋興三社長は2013年に社長に就任。経営不振に苦しむシャープを立て直す役割を担っている。
「シャープのけったいな文化を変えて、自由闊達な議論ができる会社にしたい」と訴える髙橋社長は、約1500億円の増資で一息ついた今、当初の計画を前倒しし、再成長のステージに入ることを宣言した。
──シャープのけったいな文化、とは。
シャープでは、社外の人に対して自分の上司を「~殿」と呼んでいた。おかしいでしょう。必要なさそうな社内向きの議論、根回しも多い。経営会議や取締役会も、いつもみんなが部屋に集まって開いていた。私が社長になってからは、米国から(ネットで)何回も取締役会に出ている。
人事制度は減点主義だった。それでは人間、挑戦しない。これを変える。イメージはフィギュアスケーターの羽生結弦さん。(五輪選考を兼ねた全日本選手権で)転んでも一番になった。ものすごく難度の高い技に挑戦したからだ。シャープも加点主義にしていきたい。最初は管理職から、今年10月から全員に始めていく。難しいが実現しなければ、自分の身を守るだけの集団になってしまう。
──そういった風潮はずっと以前からあった……。
自分が入社するときにも感じた。当時、外部の試作業者の方と打ち合わせしていた。そうしたら、先輩が飛んできて、「課長が呼んでる、すぐ来い」。何で課長のほうが大事やねんと。
新年に当たり社員全員に、行動変革宣言をしてくださいとお願いした。私もする。就任以来、文化を変えようと言ってきたので、今年は「『文化を変える』から『よい文化を創る』」。これが自分の宣言。よい文化まで変えることはないが、足していくべき文化もある。
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