プラスチック汚染が人類の未来に影落とす根拠

代替品使用で始める「脱プラ生活」のすすめ

身の回りにあふれるプラスチック製品。プラスチック汚染が現実に起きている中で削減のために日常生活でできることがあります(写真:Estradaanton/iStock)
プラスチックによる海洋汚染、魚介類のプラスチック汚染は、大きな社会課題として取り上げられるようになってきた。しかし、ペットボトル、カップ麺の容器、コンビニの弁当箱、コップなどのプラスチック製品を飲食に使用する際に、私たちが有害化学物質にさらされていることへの関心は高いとは言えず、使い捨てプラスチックの使用削減の動きは遅い。
その状況に警鐘を鳴らしている、環境保護ビジネス起業家のシャンタル・プラモンドンらが書いた、生活のあらゆる場面でプラスチックを減らすためのガイドブックが『プラスチック・フリー生活』だ。
プラスチック問題の第一人者で、同書に解説を寄せている東京農工大学・高田秀重教授に現状とこれからの課題について解説してもらった。

プラスチック問題は世界的にみると、解決の方向に動き出したと感じています。とくに、2017年にニューヨーク国連本部で開かれた「国連海洋会議」で、使い捨てプラスチックの使用削減について各国が具体的な行動をとるように呼びかけられました。

2018年5月には欧州委員会から使い捨てプラスチックの使用規制案が出たり、同年6月にはカナダで行われたG7で、海洋プラスチック憲章が署名されたりしたことが大きいと思います。さらに、今年5月初めに、国際条約でプラごみの輸出入が原則禁止されました。

日本においても、ようやくプラスチック製のストローから紙製や生分解性プラスチックなどの代替品に切り替える飲食店が出てきています。その流れは重要なはじめの一歩といえます。しかし、行政機関は「プラごみは燃やして処理するのがよい」と考え、消費者は「リサイクルされている」と誤解しています。

プラスチック汚染は将来への負の遺産

また、プラスチックを飲食に多用すると、有害化学物質にさらされることが、ほとんど意識されていない点、報道されない点も大きな問題だと思います。その点で、プラスチックに含まれる化学物質について触れた本書の出版はタイムリーだと思います。

プラスチック汚染でいちばん問題なのは、プラスチックが生物によっては分解されずに、細かくなり数を増やしながら、環境中に数十年以上残留する、将来の世代への負の遺産であるという点です。若い世代、そして彼らの先の世代の問題なのです。

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