ホットケーキを侮る人が知らない経営の超本質

わざわざお店で出せるほどの徹底した差別化

ありふれたメニューだからこそ徹底すれば差別化できるのです(写真:masa/PIXTA)

『「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』(遠藤 功著、東洋経済新報社)についての印象は、「ユニーク」のひとことに尽きる。

なにしろホットケーキのおいしい店を紹介するガイドブックでありながら、「ホットケーキからビジネスを考える」という目的を備えたビジネス書でもあるからだ。

著者の遠藤氏は、ホットケーキ好きの経営コンサルタント。ホットケーキが「絶滅危惧種」であることに気づいて以来、おいしい店を食べ歩くようになったのだという。

ビジネスの視点でのホットケーキ

そしてそんななか、ビジネスとしての疑問がいくつも湧いてきたのだそうだ。

――なぜこのお店は、面倒くさくて値段も安いホットケーキを提供しているんだろう?

――なぜ見栄えがよくて値段も高いパンケーキにしないんだろう?

――なぜ家庭でもつくれるホットケーキをわざわざ並んででも食べに来るんだろう?

――なぜ来日する外国人たちはこぞってホットケーキのお店に押しかけるんだろう?

――どうやってこんなに斬新でモダンなホットケーキは生まれたんだろう?

などなど。正直なところ、個人的には「ホットケーキはホットケーキ」としか考えていなかった。が、ビジネス的な観点から見てみると、上記のようなことは確かに不思議だ。

ビジネスとは「差別化」を追求することだと私は思っています。
差別化なんて言葉を使うとぎょっとする人もいるかもしれませんが、要は「ほかの人たちとは違う何か」を生み出すことができなければ、ビジネスで成功することはできません。(「はじめに」より)

事実、遠藤氏が訪ね歩いた店はどこも、ホットケーキという一見ありふれた食べ物で差別化することに成功し、多くのファンを魅了している。そして、そこには「繁盛する理由」があるというのだ。

次ページホットケーキで見る競争戦略
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT