ホットケーキを侮る人が知らない経営の超本質 わざわざお店で出せるほどの徹底した差別化
『「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』(遠藤 功著、東洋経済新報社)についての印象は、「ユニーク」のひとことに尽きる。
なにしろホットケーキのおいしい店を紹介するガイドブックでありながら、「ホットケーキからビジネスを考える」という目的を備えたビジネス書でもあるからだ。
著者の遠藤氏は、ホットケーキ好きの経営コンサルタント。ホットケーキが「絶滅危惧種」であることに気づいて以来、おいしい店を食べ歩くようになったのだという。
ビジネスの視点でのホットケーキ
そしてそんななか、ビジネスとしての疑問がいくつも湧いてきたのだそうだ。
――なぜこのお店は、面倒くさくて値段も安いホットケーキを提供しているんだろう?
――なぜ見栄えがよくて値段も高いパンケーキにしないんだろう?
――なぜ家庭でもつくれるホットケーキをわざわざ並んででも食べに来るんだろう?
――なぜ来日する外国人たちはこぞってホットケーキのお店に押しかけるんだろう?
――どうやってこんなに斬新でモダンなホットケーキは生まれたんだろう?
などなど。正直なところ、個人的には「ホットケーキはホットケーキ」としか考えていなかった。が、ビジネス的な観点から見てみると、上記のようなことは確かに不思議だ。
事実、遠藤氏が訪ね歩いた店はどこも、ホットケーキという一見ありふれた食べ物で差別化することに成功し、多くのファンを魅了している。そして、そこには「繁盛する理由」があるというのだ。
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