部下の「元気が最近ない」と感じたときの対処 プライベートと仕事を切り離すことは難しい

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あなたは自分の部下とコミュニケーションが取れていますか?(写真:metamorworks/PIXTA)
連休明け、なんだか部下の様子がおかしい。遅刻や欠勤が増えたし、以前より元気がないようだ。一過性の「5月病」ならともかく、このまま休職・退職などにつながってしまったら問題だ。心身に問題があるかもしれない……。しかし、どのように接すればいいのだろうか?
このように悩んでいる人も多いのではないだろうか。どのように対処するのが最善なのだろうか。職場のメンタルヘルス・コミュニケーション対策の第一人者にして、産業カウンセラーの渡部卓氏の著書『人が集まる職場 人が逃げる職場』の内容を一部抜粋し、解決へのヒントを探ります。

プライベートの問題が疑われるとき

私は産業カウンセラーだけでなく、大学の教員も務めており、成績が低下してきた学生への面談指導なども頻繁に行っています。その際、「この学生は最近、学業に集中できていないように感じる。もしかしたら心身やプライベートに問題があるのかもしれない」などと推察することがあります。

ただし、あまり踏み込んで話を聞くことはできません。近年、「社員のプライベートには口を出すな」というのが職場の原則になっていますが、これは大学でも同様なのです。人それぞれの心身の問題、家庭の問題などを下手に詮索・干渉すると、ハラスメントにつながることもあります。

けれども学生の話を傾聴しているうちに、本人からプライベートな問題を開示されることはよくあります。そうなると、「ああ、そうだったのか。このところ出席日数が少なかったのはそういう事情があったんだ」「なんだ、そんなことなら解決は簡単だ」などと、より的確な対策やアドバイスにつなげることができます。

このような本人が開示しないとわからない問題は、本当に対応が難しいものです。かつてはアフターファイブに飲みに出かけることで自然に聞けたかもしれません。しかし、今はアルコールに助けを借りたコミュニケーションでは問題が起きやすく、下手をすればアルコールハラスメントになってしまいます。

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