部下の「元気が最近ない」と感じたときの対処 プライベートと仕事を切り離すことは難しい
プライベートの問題が疑われるとき
私は産業カウンセラーだけでなく、大学の教員も務めており、成績が低下してきた学生への面談指導なども頻繁に行っています。その際、「この学生は最近、学業に集中できていないように感じる。もしかしたら心身やプライベートに問題があるのかもしれない」などと推察することがあります。
ただし、あまり踏み込んで話を聞くことはできません。近年、「社員のプライベートには口を出すな」というのが職場の原則になっていますが、これは大学でも同様なのです。人それぞれの心身の問題、家庭の問題などを下手に詮索・干渉すると、ハラスメントにつながることもあります。
けれども学生の話を傾聴しているうちに、本人からプライベートな問題を開示されることはよくあります。そうなると、「ああ、そうだったのか。このところ出席日数が少なかったのはそういう事情があったんだ」「なんだ、そんなことなら解決は簡単だ」などと、より的確な対策やアドバイスにつなげることができます。
このような本人が開示しないとわからない問題は、本当に対応が難しいものです。かつてはアフターファイブに飲みに出かけることで自然に聞けたかもしれません。しかし、今はアルコールに助けを借りたコミュニケーションでは問題が起きやすく、下手をすればアルコールハラスメントになってしまいます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら