部下の「元気が最近ない」と感じたときの対処

プライベートと仕事を切り離すことは難しい

そのためにも、やはり普段からプライベートな話でも自然に話せる環境づくりが大切になってきます。雑談の多い職場では、「今実家の親が入院していて、毎週末帰省していて大変なんです」といったことがポロリと漏れ出てくることがありますが、静かな職場ではそういったプライベートな話ほど出にくいものです。

ただ、気をつけていただきたいのは、「どこまでかかわるか」という問題です。相手の事情に入り込みすぎて自分が潰れてしまったり、相手も頼りすぎて共依存関係に陥ってしまったりしては本末転倒です。必要であれば産業医やカウンセラーなどの専門家も介在させ、誤った素人判断をしたり、上司1人で問題を抱え込んだりせずに対応するようにしてください。

ワークとライフを切り離してはいけない

また、病気や介護といった深刻な問題だけでなく、趣味の活動など、ポジティブな話題にも理解を示すことが大切です。「お前、まだ若いくせにワークライフバランスがどうとか言っているんじゃない。半人前のうちはいつでも仕事のことを考えていろ」……そんな言動が昔は許されたかもしれませんが、今それをやると、ただ部下の気持ちが離れていってしまうだけです。

ワークとライフを切り離さず、それぞれのキャリアやワークライフバランスについて複眼的な見方ができるようになると、世代を超えた部下との目線も合いやすくなります。

「こいつは仕事も覚えていないのに早く帰るし、迷惑な部下だな」と思ったとしても、例えば「休日はこのような活動に打ち込んでいて、それが仕事にも間接的につながってきているんだな」あるいは「俺と同じように介護で苦労しているんだな」などと思うことができたら、関係性も和らぎます。

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プライベートの事情も話しやすく、いざとなったらきちんと話を聞いてもらえる。必要に応じてアドバイスや職場における具体的な配慮をしてもらえる。このような職場は、安心して働ける、人が逃げない職場といえるでしょう。

部下の様子がおかしい、元気がない……と気になったときには、まずは何気ない雑談から始めてみてください。無理に問題を引き出す必要はありませんが、部下が少しでも開示してくれたときには、プライベートには関知しない、と遮断するのではなく、「きちんと話を聞く」ことを意識してください。

そのためにも、普段から気軽に話がしやすい職場づくりを心がけてみてください。そのほうが、上司側も気負わないマネジメントができるはずです。

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