6.加速トレーニング
とにかく速く読む訓練をする。言語を習得するためには、スピードを上げることが不可欠。これは反射神経を養成するための加速訓練。たとえば、同じセンテンスを10回繰り返して速く読む。しかしこの方法には、意味理解がおろそかになるという大きなデメリットがあるので、ほかの方法とうまく組み合わせることが大切。スピードを上げるためと割り切ってやるとよい。また、速く読む際にはリエゾンなどの発音現象や、強形と弱形の読み分けなどに留意しなければならない。
7.オーバーラッピング
テキストを見ながら、音声と一緒に読む音読。目と耳と口を同時に使うことで反射神経を高める。棒読みにならないように、意味を考えながら読むことが重要。この点では、歌をおぼえることと言語を学ぶことはよく似ている。ただし、歌と多少違う点は、文章の意味に最大の注意を払う必要があるということだ。
8.シャドーイング
高いレベルのリスニング力を身に付け、発音とイントネーションを矯正するためのたいへん優れた方法。もともとは、同時通訳の訓練だが、その効果に注目が集まり、一時ブームにもなった。しかし、初学者はリスニングと発話に集中するあまり、意味理解がおろそかになってしまうというデメリットがある。また、初学者には敷居が高すぎるかもしれない。リスニング力・発音力の改善のために、上級者はトレーニングに組み入れるとよい。短文の音声やスローな音声で挑戦してみるとよい。ヘッドホンを使ってやること。そうでないと、自分の声が干渉して英語が聞き取りにくくなる。
9.短文ショートプレゼンテーション【すべての短文学習のゴール】
短文を学習するゴールはすべてここに置く。問題が解けることをゴールにするのは絶対にダメ。「問題が解けること」と「英語ができること」は別次元。問題が解けても英語はできるようにならないが、英語ができるようになれば問題など簡単に解ける。そのために、短文はすべて暗唱して自分の言葉として唱えることができるようにする。ここまでもっていけば、発話にすぐに結び付けることができるし、これができるようになるためには、発音・構造・意味などすべてのハードルをクリアしなければならないので、学習の成果を確認するには最適。
10.長文リスニング理解【すべての長文学習のゴール】
長文を学習するゴールはすべてここに置く。目で見てわかったり、問題が解けること、和訳ができることをゴールにするのは絶対にダメ。ネイティブが読み上げる音声を聞いて100%わかるようにすることがゴール。この方法によって、左から右に日本語を介在させずに一定の速度で理解できるようになっていることを確認することができる。また、自分で速度をコントロールすることも止まって構造を確認することもできない。ここをゴールとすることによって、誤った音読に陥ることを阻止することができる。
「始める」「続ける」それだけ!
さて、英語学習者の皆さんへのメッセージとして、今回は「正しい音読10の方法」をお届けしました。これら一連の方法は、ビジネスや留学の英語、日常会話、TOEICやTOEFL、大学受験など、何にでも共通して役に立つ根本的訓練です。
正しい方法がわかったら、あとは皆さんが英語を習得するためにやらなければならないことはたった2つだけです。それは、すぐに「始めること」そして、それを毎日「続けること」です。そうすれば来年は英語が使える新年を迎えることができますね。今年こそは、皆さんの英語学習が大成功しますように。
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