建売購入で「階段とトイレ」を確認すべき理由 玉石混交の物件の中で後悔をしないために

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こうした設備のほかに、住民自ら分譲住宅地内の植栽を維持管理する項目を街づくり協定や日々の住民交流を促進する仕掛けも採り入れた。これにより住民同士の団結力は高まり、防災、さらには防犯にも役立てている。

分譲住宅地のコミュニティ形成に関わるこのような手法は、景観を守ることによる資産価値の維持にもつながるため、近年、質の高さをうたう分譲住宅地ではよく採り入れられている。

要するに、建売住宅、分譲住宅にもさまざまなタイプがあり、確認すべきポイントは建物だけでなく、周辺を含めたマネジメントの手法などにも及ぶということだ。

資産価値なども考慮に入れ検討を

ちなみに、建売住宅の検討は、注文住宅での住宅取得を目指す人にも大いに役立つ。というのも、注文住宅を検討する場となるモデルハウスは、規模が大きく豪華すぎるが、建売住宅はリアルサイズで一般的な仕様の中に住みよさを追求する工夫が盛り込まれているからだ。

その工夫を自分たちの住まいの参考にすればいいのだ。何より、多くの建売住宅を見学することで、住まいづくりの勘所を養うことができる。一生に一度の高額な買い物と呼ばれる住宅取得の機会をよりよい体験とするためにも、ぜひ行っていただきたいと思う。

このように、住宅取得の検討は慎重すぎてもいいはずなのだが、中には建売住宅を2、3棟見学して、その中から購入を「えいやっ!」という感じで決定してしまうケースもよく見られる。

それで、20年後、30年後に後悔しなければいいのだが、すでに空き家・空き室問題が進行している状況を考えれば、資産価値、将来の売却で有利かどうかまで考慮に入れた検討が求められそうだ。とくに、都市型の建売住宅には、この点で厳しい条件の物件が数多く散見される。

住宅取得にあたっては、予算や立地、子育てなどをメインに検討されがちだが、上記のようにより数多くの見地から検討することをおすすめしたい。

田中 直輝 住生活ジャーナリスト

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たなか なおき / Naoki Tanaka

早稲田大学教育学部を卒業後、海外17カ国を一人旅。その後、約10年間にわたって住宅業界専門紙・住宅産業新聞社で主に大手ハウスメーカーを担当し、取材活動を行う。現在は、「住生活ジャーナリスト」として戸建てをはじめ、不動産業界も含め広く住宅の世界を探求。

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