入居希望者が続々集まる「茶山台団地」のすごみ DIY工房やニコイチ住戸で若年層を惹きつける
ママさんが工具片手に四苦八苦。その様子をちょっと心配げに見守るパパと幼い子ども。そして、微笑みながら寄り添うご近所の高齢者。これはある団地での様子である。
高度経済成長期に各地で建設された団地の多くはいま、住民の高齢化や老朽化、過疎化などの問題を抱えている。その再生は非常に困難であると考えられるが、どのような取り組みが行われているのだろうか。入居者によるDIYなどにより子育て世帯の入居を促進し、多世代交流型のコミュニティづくりを進めている、ある団地の取り組みを紹介する。
茶山台団地の取り組み
泉北ニュータウンにある茶山台団地(大阪府堺市南区:28棟930戸、2019年1月末時点で795世帯が入居中)は、泉北ニュータウン内に建設された賃貸住宅団地の第1号。1971(昭和46)年4月に入居を開始し、以来、約50年にわたり庶民の暮らしの場となってきた。
冒頭の光景は、その団地内に2月16日にオープンしたDIY工房「DIYのいえ」で行われたワークショップの光景だ。工房は住戸をリノベーションしたものである。
工房にいた団地居住歴約10年の30代夫婦にお話を伺った。「こんな場所ができてメッチャうれしいです。これまでにも自分なりにDIYをしていたのですが、うまくいかないことも多く、ここでプロのアドバイスを聞けるし、道具も無料で貸してくれるから」と話していた。
別の若い夫婦は、「子どもがもうすぐ小学生になるのでDIYで机を作ってあげたいと思い来てみました。時を経て自作の家具が増えるのは、思い出づくりにもなっていいことではないでしょうか」と語っていた。
ある主婦はスタッフを捕まえて、「自分で洗濯機置き場を作ったのだけど振動音がひどいのです。改善する方法を教えて」と熱心に話し込んでいた。
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