東急、「池上線」テコ入れの裏に潜む危機感

2年連続で「活性化イベント」、住民の評価は?

「都心を走るローカル線」の雰囲気漂う池上線(写真:市来広昭 / PIXTA)

ここ数年、東急電鉄が池上線(蒲田―五反田間、10.9km)の活性化に力を入れている。全線開通90周年を迎えた2017年は10月9日に「池上線フリー(無料)乗車デー」を実施し、2018年は11月23日、24日の2日間にわたり、地元商店街などと連携して沿線全15駅の周辺でイベントを行う「池上線全線祭り」を開催した。

駅施設も2016年12月に新しい木造駅舎がリニューアルオープンした戸越銀座駅に続き、旗の台駅でも同様のリニューアルが進められている。また、池上駅では駅改造工事とともに、駅ビル建設工事を進めている。

池上線に投資を進める理由

筆者は学生時代、旗の台駅付近のファストフード店でアルバイトしていたことや、池上駅周辺に20年ほど前に数年間住んでいたこともあり、池上線にはなじみが深い。

2016年12月に新しい木造駅舎がリニューアルオープンした戸越銀座駅(筆者撮影)

当時、沿線住民の多くが口にしていたのが、「池上線は何でも最後。放置されているようだ」という不満だった。東横線などの幹線で使われたお古の車両が、まず目蒲線(当時)にやってきて、さらにその後、池上線に回されるというのが暗黙のルールになっていた。また、駅施設は数十年前の施設がほぼそのまま使われているものが多かった。今となってはそれがレトロ感を生み、「都心を走るローカル線」の雰囲気漂う池上線の魅力になっているものの、もう少し池上線にお金を使ってくれてもいいのではないかと思っていた。

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こうした点について、東急電鉄鉄道事業本部沿線企画課長の平江良成氏は「決して放置してきたわけではない」としながらも、「都市開発が得意な当社では、駅のリニューアルは駅周辺の再開発とセットで行うケースが多い。ほぼ駅の部分しか土地を所有していない池上線沿線が開発を進めづらいのは事実」と、池上線の駅整備が遅れがちな理由を打ち明ける。

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