「高輪ゲートウェイ駅」は果たして定着するか

物議を醸す新駅名、感情で論じるべきでない

名称が「高輪ゲートウェイ」に決まった田町―品川間の新駅の建設現場=2018年8月(撮影:尾形文繁)

2018年12月4日に、田町―品川間に建設中のJR新駅の名称が「高輪ゲートウェイ」と決まった。この駅名についてはインターネット上を中心に、毀誉褒貶(きよほうへん)を取り混ぜ、意見が百出している。

ほかにも最近では、東武の「アーバンパークライン(野田線)」、あるいは東京都交通局の「東京さくらトラム(都電荒川線)」といった愛称、あるいは、小・中学生から案を公募した京浜急行電鉄の駅名改称計画が物議を醸したりした。

百人百様の意見があるのは当然

ただ、感覚的感情的な賛成反対とはイコール個人の主観的な好悪や利害であり、100人いれば100通りの意見があるだろう。芸術作品への感想と同じことである。

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駅名などが公募された場合でも、1位の名称が自動的に採用されないのも、それが理由。たとえば観光地やレジャー施設の名称が駅につけば宣伝効果が大きいという考え(つまりは私利)に基づいて、組織的な投票が行われれば、公共交通機関としての公共性が損なわれる可能性もあるからだ。

一方で、日本の鉄道会社の大半は、JR各社を含めて民間企業であり、事業展開の自由もある。経営戦略面から考えて駅名を決める場合も、もちろんあってよい。

私は阪急宝塚線の服部駅近くで生まれた。それゆえ、自分のアイデンティティーを示すため、「豊中市服部の出身です」と自己紹介することがある。

ところが、服部駅は2013年に「服部天神駅」に改称された。服部天神とは駅前にある著名な神社名で、阪急が利用促進を図ったという一面があった。同駅が元の神社の境内に建設されたといういわれもあるが、しかしながら私にとっては、故郷を失ったかのような気分を味わわされたものだ。

けれども、地元では改称に反対する声はさほどなかったとも聞く。要するに私個人の感傷にすぎなかった。それでも「服部出身」という言い方は改めてないが。

ここでは感情論は別として、では、どのような駅名や路線名が、新しくつけられるのがふさわしいか。可能な限り、客観的に考察していきたい。

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