京急カラー「ウソ電」、なぜ全国に増殖したか 赤と「くりぃむ」で空港線PR、背景には危機感
京浜急行電鉄を象徴する赤い車体をイメージしたラッピング車両が現在、日本各地で走っている。モノレールや路面電車、空港連絡バスなど、その数は沖縄から北海道まで8事業者にのぼる。羽田空港国内線ターミナル駅の開業20周年を記念する取り組みの一環で、空港と都心を結ぶ京急線の利便性を地方都市でアピールする狙いだ。
側面にデザインした京急空港線PRキャラクターのお笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の姿と「都心へビュン。京急!」の大きな文字が街ゆく人の目を引いている。しかし、同社の代名詞である赤い車両のデザインを的確に再現しているかと言えば、広告の要素を別にしても何かがおかしい。この違和感はどこから来るのか。
デザインは大阪モノレールにぴったり
「京急ラッピング車両」はまず、2017年10月に大阪モノレールにお目見えした。平日の朝夕に運行する座席指定列車「ウィング号」や日中の「快特」などで使用するクロスシート車両「2100形」をモデルにしたデザインで、大阪モノレールの2ドアの車両によく似合った印象だ。
それからしばらくして第2弾が2018年2月、那覇空港と市内を結ぶ「ゆいレール」に登場。同月8日の運行開始日には、京急とゆいレールを運行する沖縄都市モノレールの関係者が出席して那覇空港駅で出発式を開催した。京急の道平隆鉄道本部⻑は「120キロ運転であっという間」と羽田―都心間の速達性をアピールした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら