出世のためにやむを得ず呼ばれる“招待客”たち
ちなみに断られようが内心お近づきになりたい、と思っている上司やお客さん、海外在住の出世頭にも一応打診し、また“断ってください!”と祈りながらも、日ごろ仲良くない先輩にも顔をたてて一応渋々招待状のはがきを送る、戦略的な招待客も少なくない。
実はこれは日本に限らず、先日フランスでブルゴーニュのワイン園めぐりに香港系カナダ人とドライブに行ったとき、彼女が、一生に一度の大切な日だから本当に私たちを祝福してくれる人だけを呼びたいのだけど、ついでにハワイ(式場)に旅行する口実が欲しいというだけで相手方の親戚のおばさんが来ると言っていて、どうやったら断れるか、相談にのってくれない?”などと、どうでもいい相談事を必死にしてきた人がいた。
結婚式に誰を呼ぶかというのは、インドのように誰彼かまわず、2000人くらい呼んで一週間くらい連続で宴が続くのでもない限り、世界の若者に共通するグローバルな課題なのだろう。
グローバルエリートからの提言
このような結婚準備にまつわる滑稽な苦労話を聞くにつれ、私はいかに現在の若者が結婚式の“形”に振り回されて無駄な時間とお金と神経を使っているか、ほとほとあきれてしまった。
結婚コンサルティング会社はそれにかかっている時間を長くしてコンサルティングフィーを正当化するはずだが、賢いあなたには“前回友人に呼ばれた結婚式のプランナーとホテルの担当者”を紹介してもらい、“この人の結婚式、とても満足したので、これと全く同じでいいです、ハイ”と手っ取り早く5秒で終わせることをお勧めする(別に、一緒に式をつくりあげる過程そのものに価値を感じる方もいらっしゃるので、一般化されないようお願いしたい)。
また、初夏にするとかクリスマスにするとかで値段が高騰するらしいが、ここは仏滅をピンポイントで指定して挙式担当者をビビらせよう。日頃仏教徒でもなんでもないのに、結婚の時だけ仏滅を避けるために何百万プレミアムを払うのは、死んだ時に今までお経の“お”の字も無かったのに、顔を合わせたこともないお坊さんを読んで、誰も覚えず誰も気にしない戒名に50万円とか100万円を払うことの次に馬鹿げている。
こんなこと書くと私は既に外部に十分すぎるくらい敵(ネトウヨの皆さん、AKB/ももクロファン、ダウンタウン信者)を作っているのに、宗教界までをも的に回すわけだが、この際だからこの年末に、ズバリ言わせてもらおう。日ごろ何かと人生相談に載ってもらっている御坊様に感謝の気持ちを込めてお渡しするなら別だが、この名前を付けた方が天国で幸せに系の高額戒名が、なぜ宗教商法で捕まらないのかわからない。
実際、私の学生時代の友人がお寺の息子なので内実を結構聞いたことがあるのだが、全然人徳の高そうに見えないお坊さんが全員ベンツに乗って、日曜日はパチンコ屋に入り浸っているではないか(ただし私は、本当に得の高い御坊様や牧師様に、信心深く日頃精神的に救われている信者の方が行う善意の寄付は大いになさってくれればいいと思っているので、その点誤解なきようお願いしたい)。
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