安倍靖国参拝後の、グローバルエリートの役割 グローバルエリートとローカルエリートの違いとは

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれてい る。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバル エリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを 縦横無尽につづる。
中国、韓国の反発が予期できながらも、靖国参拝を断行した安倍首相(写真:ロイター/アフロ)

ボンジュール!!  みなさん、厳寒の冬が続いていますが、いかがお過ごしですか? 昨日の安倍首相による靖国参拝を受け、冷え込んでいる東アジア関係が来年も厳冬を迎えることが必至の情勢だが、政治関係が冷え込んでいるときこそ、東アジアの平和安定を勝手に守るグローバルエリートがホットなコラムで雪解けの一端を担いたい。

年末のお疲れ、来年もいいお年を~といった祭日・休暇ムードに大いに水を差す首相の突然の参拝だったわけだが、突然の参拝の方が影響が少ないという”計算”と、来年から中国・韓国との関係改善を模索したら参拝できないので、冷え込ますだけ冷え込ませて悪材料出尽くしの後で、来年から関係改善に持ち込もうという狙いだろうか(関係改善を始めたら、参拝など到底できなくなるため)。

ともあれ、親日色彩の強いのアメリカや台湾からも強い失望の上がっている靖国参拝の後に、「中韓は冷静に」というおなじみの態度は相手の怒りに火を注ぐのに十分な効果を発揮している。特定秘密法案の強行採決に引き続く靖国参拝の強行は、「経済優先」という政策が参院選の大勝後に歯止めが失われ、安倍カラーでやりたい放題では、という当初の予想が残念ながら的中していることを証明した。

今後も年末から年始にかけて双方の感情的な応酬と国民を洗脳するような政治家の一言ポリティクス・プロパガンダがメディアで溢れるだろうが、今回のコラムでは国際問題を国際的視点で見ることの大切さについて述べさせていただきたいと思う。

グローバルエリートとローカルエリートの違い

さて、この「グローバルエリートは見た!」も1年を超えるわけだが、「そもそもグローバルエリートとローカルエリートの違いって何なんですか」という問いをたまに受ける。何を隠そう、最近SNSをたどって友人から、「洛星高校の後輩が同窓会で、ムーギーさんにグローバルエリートとはなにか、についてスカイプででもいいから講演してほしいという依頼が来ている」とのお話をいただいたのだ。

この出だしは知る人ぞ知る、「マック赤坂」氏の政見放送の出だしである「スマイルセラピーって何ですか?ってよく聞かれます」みたいで恐縮なのだが、端的に言えばグローバルに生きるとは、一国の政治家やメディアによるローカルな、国家主義的な偏見の押し付けから自らを解放する生き方であり、エリートとは単に競争に勝ち残ったとかではなく、社会をよりよい方向に導く能力と志を持っているかどうかにあると思う。

そしてローカルなエリートとグローバルなエリートの決定的な違いは、前者が自分が所属する狭いローカルコミニュティでのみ支持されれば満足するのに対し、後者はグローバルなコミニュティに貢献し、国の枠を超えて尊敬と信頼を勝ち取ることを志向している点である。

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