「キャプテン翼」カードゲーム開発者の劇的人生

"カードゲームの神"が天職に転職できたワケ

トレーディングカードゲームのプロプレーヤーだった和田寛也さん。趣味を通じてカードゲームの開発に携わることになったその経緯とは?(撮影:梅谷秀司)
今回の「御社のオタクを紹介してください」でお話を伺ったのは、タカラトミーで「キャプテン翼」のトレーディングカードゲームの開発を担当している和田寛也(わだひろや)氏。
彼は1993年に発売された世界初のトレーディングカードゲームであり、「最もよく遊ばれている」としてギネス世界記録にも認定されている「マジック:ザ・ギャザリング」の元プロプレーヤー。“神決定戦”で優勝したことから、業界では“神”とも呼ばれる存在だ。
彼がトレーディングカードゲームを作る仕事に携わるまでには、意外ないきさつがあった。さらにトレーディングカードゲームの魅力とは何かに迫る。

トレーディングカードゲームは「駒が選べる将棋」

まず、インタビューに先立って、トレーディングカードゲームとは何かを伝えたい。筆者が体験した「マジック:ザ・ギャザリング」というカードゲームに基づいて解説しよう。感想を言うなら、かなり複雑なトランプゲームといったところだった。

知っておいてほしいポイントは3つある。1つ目は、トレーディングカードゲームとは、囲碁・将棋のように1対1で対戦して遊ぶゲームであること(2人以上で遊ぶものもある)。

2つ目は、手持ちのカード(7枚前後)を場に出して、対戦相手を攻撃するものであること。1ターン中、条件がそろえば複数枚を使って攻撃できる。3つ目は、手持ちのカードはデッキと呼ばれるカードの山から引いて補充すること。UNOであればデッキが真ん中に置いてあり、プレーヤー全員がそこからカードを引くが、トレーディングカードゲームではプレーヤーごとにデッキが置いてある。

しかもデッキの中身は、プレーヤー自身が何万種類もあるカードから、60枚程度をあらかじめ選んでおいたものなのだ。カードは攻撃力が強い、防御力が強い、特殊な効果を持つ、場に出せる条件がゆるいなど、それぞれに特徴がある。

和田氏はトレーディングカードゲームを「自分で駒が選べる将棋」と表現していた。例えるなら、デッキの中身を全部“飛車”にしておくことも可能だ。だが、そんなことをすれば勝てないようにうまくできている。デッキはゲーム開始前にシャッフルするので、仕込んだ“駒”がどの順で引けるかはわからない。“飛車”を4枚入れておいても、最後まで引けなかったということも起きる。この偶然性がゲームの醍醐味と言える。

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