トレーディングカードゲームは「駒が選べる将棋」
まず、インタビューに先立って、トレーディングカードゲームとは何かを伝えたい。筆者が体験した「マジック:ザ・ギャザリング」というカードゲームに基づいて解説しよう。感想を言うなら、かなり複雑なトランプゲームといったところだった。
知っておいてほしいポイントは3つある。1つ目は、トレーディングカードゲームとは、囲碁・将棋のように1対1で対戦して遊ぶゲームであること(2人以上で遊ぶものもある)。
2つ目は、手持ちのカード(7枚前後)を場に出して、対戦相手を攻撃するものであること。1ターン中、条件がそろえば複数枚を使って攻撃できる。3つ目は、手持ちのカードはデッキと呼ばれるカードの山から引いて補充すること。UNOであればデッキが真ん中に置いてあり、プレーヤー全員がそこからカードを引くが、トレーディングカードゲームではプレーヤーごとにデッキが置いてある。
しかもデッキの中身は、プレーヤー自身が何万種類もあるカードから、60枚程度をあらかじめ選んでおいたものなのだ。カードは攻撃力が強い、防御力が強い、特殊な効果を持つ、場に出せる条件がゆるいなど、それぞれに特徴がある。
和田氏はトレーディングカードゲームを「自分で駒が選べる将棋」と表現していた。例えるなら、デッキの中身を全部“飛車”にしておくことも可能だ。だが、そんなことをすれば勝てないようにうまくできている。デッキはゲーム開始前にシャッフルするので、仕込んだ“駒”がどの順で引けるかはわからない。“飛車”を4枚入れておいても、最後まで引けなかったということも起きる。この偶然性がゲームの醍醐味と言える。
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