「キャプテン翼」カードゲーム開発者の劇的人生 "カードゲームの神"が天職に転職できたワケ

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――私が体験した例だと、「攻撃力が0、防御力が6のカード」と「防御力が攻撃力に変わるカード」を仕込んでおいて、この両方を出せたらほぼ無敵という戦略がありましたね。

それもかなり気持ちいいですよね。1枚1枚はたいしたカードでなくても、組み合わせるとすごいことが起きることがあります。しかも、自分が見つけたオリジナルの組み合わせだったりすると、対戦相手も「うゎ!これは! あなたが考えたんですか!?」となる。

ある戦略を狙ってカードを仕込んでおいても、必ず出せるわけではありません。デッキに入れておいても、手札にならないこともある。でもそれがそろったら出して、出して、ドーン、とできる。戦略どおりカードを全部出せたときは、相当に高まりますよね。そういう面白さはあると思います。

カードで知り合った人が仕事を紹介してくれた

――プロプレーヤーとしての活動と、会社での仕事をどうやって両立させていたのでしょう?

実は、会社での仕事は、熱心にはやっていませんでした。タカラトミーは3社目なんです。1社目は海運会社で経理をしていました。毎週末、土曜、日曜はいろんなところで開かれる予選会やトーナメントのイベントに参加する生活をしていました。

ところが、その会社が倒産してしまいまして。私はカードに一生懸命だったので、特に転職活動もせず、存続した会社に残ったのですが、ものすごく忙しくなってしまいました。当然カードもできず、次第に体調を崩すようになってしまい退職しました。

そこから半年くらいは無職だったのですが、カードで知り合った方が、今度「WIXOSS-ウィクロス-」というトレーディングカードゲームを立ち上げるから手伝わないかと声をかけてくれて。タカラトミーは世界観やキャラクターの方向性を決めていて、細かいパラメータなどは専門業者を交えながら詰めていくんです。その専門業者に入りました。

――初めてトレーディングカードゲーム業界で働いてみて、いかがでしたか?

和田さんは「WIXOSS-ウィクロス-」の開発に携わった(撮影:梅谷秀司)

そうですね、向いてましたね。やりがいを持って取り組めています。入った会社はすごいところで、チーム全員がトレーディングカードゲームのスペシャリストでした。プラチナより上の殿堂プレーヤーがたくさん所属していました。

17時までは事務の仕事をして、そのあと発売前のカードのテストプレーを手伝って終電で帰る……という暮らしをずっとしていました。そうこうしているうちに、だんだん事務の仕事が減り、作るほうの仕事が増えていきました。「WIXOSS-ウィクロス-」でタカラトミーの方と会うこともあったので、そこから誘われてタカラトミーに転職という流れです。

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