台湾プロ野球とパ・リーグ球団が築く深い関係 選手供給源としても潜在市場としても注目

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日本ハムだけでなく、今春のプロ野球界では日本と台湾の交流が各地で見られた。

沖縄県石垣市の千葉ロッテマリーンズのキャンプでは、恒例となった「アジアゲートウェイ交流戦パワーシリーズ2019in石垣島」が開かれた。

今年で6回目となったこのシリーズはロッテとCPBLのLamigoモンキーズが2試合を戦った。

石垣市は、日本最南端かつ最西端の市だ。所在する石垣島は、端的に言えば「台湾の東隣にある島」だ。日本本土はおろか、沖縄本島よりも台湾のほうが近い。

毎年、このシリーズには台湾からファンが駆けつける。今回も78人がチャーター便でやってきた。

沖縄県石垣市「アジアゲートウェイ交流戦パワーシリーズ2019in石垣島」でのLamigoのチアガール(ラミガールズ)(筆者撮影)

CPBLといえば球団所属のチアリーダーによる派手な応援で知られる。三塁側のLamigo応援席はシーズン中さながらのにぎやかな応援に包まれた。

またスタジアムの前に設けられたステージでは、ロッテとLamigoのチアリーダーのダンス交流会や撮影会が行われ、日台の多くのファンがカメラを向けていた。

台湾のチームとの交流は刺激になる

また今年の3月14、15日にはロッテの本拠地、ZOZOマリンスタジアムでもLamigoとの2試合が行われた。

千葉ロッテマリーンズは台湾との交流について、「2月にキャンプ地である石垣島で対外試合がなかなかできないので、チームとしても意義があります。石垣市にとっても観光誘致の意味合いからも意義深いと聞いています。

また台湾のメディアを通して台湾のファンにもアピールもできますし、チェン選手のように台湾選手がいることもいい話題です。日本のチームだけではなく海外のプロチームと試合を行うことで選手たちもいい経験になり、刺激になるかと思います」とコメントした。

このシリーズの初戦、ロッテは22-0でLamigoを圧倒。ロッテが半ばレギュラー選手を並べたのに対し、Lamigoは前年のドラフト1位投手を先発に立てたこともあって、記録的なワンサイドゲームとなった。

台湾の4大紙の1つ「自由時報」のスポーツ面トップには、「像被對封方打撃練習、猿遭羅徳血洗(まるで相手チームの打撃練習のように、猿=モンキーズは羅徳=ロッテに惨敗した)」という大きな見出しが躍った。

2月下旬には高知県立春野野球場で、埼玉西武ライオンズとCPBLの統一ライオンズによる「ライオンズ対決」が行われた。西武も台湾との交流が深い球団の1つだ。

自身も嘉南勇士(今はない台湾プロ野球リーグのプロチーム)でのコーチ経験がある西武の渡辺久信GMは、CPBLの野球について次のように語る。

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