会社から「アイデアを否定され続ける人」の弱点 「自分のやりたいこと」を実現するための教え
「何が好きなことなのか、自分が本当にやりたいことが何なのかがわからないんです」
これを読んでいる人のなかには、そんな悩みを抱えている人も少なくないでしょう。そういう人は、ここまでの話を聞いて、「好きなものが何なのかわからない自分には、新しいビジネスを立ち上げることはできないんだな」と落ち込まれたかもしれません。
でも、長い目で見れば、そんなふうに悩んでいる時期も「助走期間」としては、必要なんだと僕は思います。
「具体的にはわからないけれど、世の中の人をアッと言わせるようなものをつくってみたい」
「とにかく、世界中の人が幸せになるような仕事をしたい」
もしも部下や同僚が、こうしたあいまいな夢を口にしていたら、なんて青臭い、子どもっぽいことを言うんだ、と思われるかもしれませんね。でも、こういう漠然とした「ああしたい」「こうしたい」という思いって、そう馬鹿にしたものじゃないんです。
というのも、こうした漠然とした思いが、具体的なアイデアやビジネスの形になっていくまでの間にも、実は長い時間と労力がかかるものだからです。どれほどすごい成功も、その原点に立ち返ればやはり、青臭い、子どもっぽい、漠然とした思いがスタートラインにあるのです。
世間をアッと言わせたい。
世の中の人を幸せにしたい。
「気楽に、でもあきらめずに」
そういう思いを持っている人は、あまり焦らず気楽に、ほんの少しずつ固まってゆくプリンが出来上がるのを気長に待つような気持ちでいてください。つまり「気楽に、でもあきらめずに」、です。この気持ちのコントロールが大切なんです。そのためには、日々の目の前の仕事のほうはきっちりと爽やかな気持ちでやることが、重要になります。
日々の目の前の仕事の中には、何気ないけれど重要なヒントが隠されていることも多いのです。それに気づくためにも、くさらずに日々の生活を楽しんでください。そうするとだんだんと、細かな粒子が集まって結晶をつくるように、日々の思いが、1つの形を結ぶ日が、必ずやってきます。
ただ、これはそれこそ、長い時間がかかります。また、ぼんやりとした「夢」が、はっきりとしたアイデアへと形を変えていくのは、あくまで無意識レベルで起こっているプロセスなので、本人も周囲も、いつ、それが起きるかの予測はできません。
ただ、間違いないのは、長い時間をかけて、ゆっくりと発酵させるように育ててきたアイデアほど、その後、ちょっとした困難があっても揺らぐことなく、実現に向けて進めて行くことができるということです。
あなたの中にある「アイデアの種」を、ぜひじっくりと、時間をかけて育ててください。どんな環境にあっても焦らず、助走期間を大切にしていれば、そのアイデアは必ず、芽を出し、大きな花を咲かせてくれるはずです。
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