「怒り」で仕事が手につかない人のための処方箋 ネガティブな気持ちは自分も他人も傷つける

相手への怒りが収まらないときに、負の連鎖を断ち切る効果的な方法があります(写真:プラナ/PIXTA)
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。
「怒り」のデメリット
仕事をしていると、同僚や上司に対して、「許せない!」という気持ちに囚われてしまうことがあると思います。
「どうしてわかってくれないの?」
「なぜあいつより僕の評価は低いのか?」
「もっと違う言い方があるんじゃないの!?」
「なぜあいつより僕の評価は低いのか?」
「もっと違う言い方があるんじゃないの!?」
私も、同じような経験をたくさんしてきましたので、そう言いたくなる気持ちはよくわかります。ただ、少なくとも心理学的な側面からみると、心の中が「誰かを断罪する気持ち」でいっぱいになっているときというのは、残念ながら、仕事はまったくはかどりません。
なぜなら、怒りは、人のパフォーマンスを低下させる大きな要因だからです。また、職場のメンバーの1人が怒りに囚われてしまうことは、実はその人だけではなく、職場全体のパフォーマンスを低下させる原因にもなるのです。
あなたが上司に対して「許せない!」と感じているときには、多くの場合、上司もまた、あなたがそうしたネガティブな思いを自分に抱いていることを感じとっています。その結果、上司の仕事のパフォーマンスも下がっていきます。人間関係がうまくいっていない職場では、だいたいこのように連鎖的に、互いが互いの足を引っ張り合うように、パフォーマンスを落としています。
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