「怒り」で仕事が手につかない人のための処方箋 ネガティブな気持ちは自分も他人も傷つける

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とはいえ、被害者意識をまったく持たない人というのはめったにおられません。もしも「私には被害者意識なんかないよ」という人がいるとすれば、それはたまたま、自分の調子がいいからなのかもしれません。

仕事やプライベートで問題が起きたり、長く成果が上がらない状態が続いたりすると、多くの人が当たり前のように被害者意識に囚われてしまいます。

祈りは、こうした被害者意識が生み出す「負の連鎖」を断ち切る、最強のツールです。

「情けは人のためならず」と言いますが、祈ることで、あなた自身の被害者意識が薄れてくれば、むやみやたらに相手を責めようという気持ちがなくなってきます。

そうすると自然と、苦手な相手と仕事をすることが以前ほどは苦にならなくなってくるでしょう。また、あなたのネガティブなエネルギーが伝わらなくなることで、相手からの理不尽な攻撃も、自然と減っていきます。

嫌いな相手の背中を思い浮かべて「今日1日、幸せでいてください」とお祈りしてみてください。「私はあなたのことを苦手ですが、幸せでいてください」と祈ってみてもいいでしょう。ともかく、相手の幸せを祈ることによって、自分の中にある被害者意識を払っていくこと。これが職場の空気を変えていく、大きな一歩になるのです。

変えられるのは自分だけ

「相手を変えることはできない。変えられるのは自分だけ」というのは、心理学が私たちに教えてくれる、対人関係上の大きな気づきです。性格分類にしても、祈りにしても、その点においては共通しています。

そしてもう1つ、ビジネスマンの皆さんが、こうした心理学ツールを活用するうえで知っておいてほしいことがあります。それは、「仕事に関わる一人ひとりのパフォーマンスを上げることが、自分の仕事のパフォーマンスを上げることにつながる」ということです。

これは、当たり前のことのようでいて、忘れがちな視点です。いくら自分のパフォーマンスが上がったとしても、自分の周りにいる同僚や上司のパフォーマンスが上がらなければ、全体として成果が上がるわけはありません。

自分とは異なるタイプ、自分にとって理解しがたい感性を持つ人たち。そういうさまざまな人間が集まっているのが、組織です。組織に集う個性豊かな人たちが、一人ひとり、それぞれの角度から最大のパフォーマンスを発揮する。それができれば、チームはもちろん、あなた自身の仕事の成果も飛躍的に伸びていくはずです。

祈りという心理学的ツールを活用することによって、もし、「この人(のような、自分にとって苦手な人物)がいるからこそ、自分の仕事は成り立っているんだ」と思えるようになったら、しめたものです。それこそ無限に、自分と人とのつながりが見えてくるでしょう。ぜひ皆さんも、試してみてください。

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アルファポリスビジネス編集部

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