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「ドル離れの火種」 アメリカ国債は7月が正念場に。関税収入・減税に頼る米政権のもくろみは危うい

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米議会前で演説する上院議員
米議会での攻防が幕を開ける(写真:Tierney L.Cross/The New York Times)

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ドナルド・トランプ米大統領の相互関税によって、世界経済は不確実性の渦に放り込まれた。企業業績、マーケット、通商・外交はどう動くのか。本特集では総力取材で今後の展開を予測した。

米国の国債市場は、二転三転するトランプ関税に振り回されると同時に、政権を動かす要因ともなっている。

長期金利の代表的指標である米10年国債金利は、4月2日に相互関税が発表されると、1週間で0.50%と23年ぶりの上昇幅を記録(債券価格は下落)。ドル、米国株と合わせて米国の資産が売られるトリプル安に見舞われ、トランプ政権は中国以外の相互関税上乗せ分を7月9日まで停止した。

政府預金で財政をやり繰り

長期金利は、投資家が予想する将来の短期金利(政策金利)の平均とタームプレミアムで構成される。

タームプレミアムは、国債償還までの期間が長い分、高まるリスクに対して投資家が求める上乗せ金利を指し、需給や財政への懸念を反映するとされる。予想短期金利は、景気悪化を防ぐためにFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急ぐとの観測から低下する一方、タームプレミアムが拡大した。

金利上昇は、財政悪化や借入金利の上昇、金融機関の財務ダメージを通じて景気を下押しする。

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