有料会員限定

二転三転の「トランプ関税」 基本がわかるQ&A。交渉の行方、経済影響、アメリカ製造業の復活…

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
各国の関税率を発表するトランプ大統領
関税をツールに国内外に権力を誇示するトランプ大統領(写真:Getty Images)

特集「トランプ関税 大予測【世界経済編】」の他の記事を読む

ドナルド・トランプ米大統領の相互関税によって、世界経済は不確実性の渦に放り込まれた。企業業績、マーケット、通商・外交はどう動くのか。本特集では総力取材で今後の展開を予測した。

Q1 そもそもトランプ関税とは?狙いは?

トランプ関税は品目ごとの関税、国ごとの関税、全世界対象の関税に分けられる。品目ごとではすでに3月に鉄鋼・アルミ製品、4月に自動車、そして5月に入り自動車部品にそれぞれ発動され、25%の関税がかかっている。

また国別ではカナダとメキシコに対し、フェンタニルなど薬物流入を理由に、すでに25%の関税を発動済みで、報復措置を取った中国に対しては実質禁輸状態といえる145%の関税を課していた(90日間、30%に引き下げ)。

そして全世界を対象とする相互関税のうち、一律の10%は4月に発動済みだが、貿易赤字が大きい国・地域を対象とした上乗せ税率(日本は14%)は90日間、発動が停止されている。

トランプ関税の狙いは、保護貿易政策により製造業の国内回帰を図るという、「米国第一主義」の徹底にある。減税の原資としても関税による税収増を当てにする。

一連の関税措置は、議会を通さず緊急事態宣言に基づく大統領権限で導入されている。関税はトランプ大統領が国内外に権力を誇示できる、格好のツールといえる。

Q2 二転三転する関税策 今後の交渉見通しは

日米関税交渉ですべてのトランプ関税の見直しを要求する日本に対し、米国は日本を含む各国との交渉を相互関税の上乗せ分に限定する姿勢だ。

とりわけ基幹産業である自動車の関税撤廃を重視する日本との隔たりは大きい。ただ自国自動車産業の保護を願うのはトランプ大統領も同様。4月末には米国内生産が多ければ自動車関税は2年間軽減する措置を打ち出しており、すでに対応済みというスタンスだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD