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ロシアとの関係に透ける中国「対アメリカ戦略」の本音。関税時代の米中関係を世界が注視

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トランプ大統領と習近平国家主席
2019年のG20大阪サミットで、並んで写真に収まるトランプ大統領と習近平国家主席(写真:AP/アフロ)

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ドナルド・トランプ米大統領の相互関税によって、世界経済は不確実性の渦に放り込まれた。企業業績、マーケット、通商・外交はどう動くのか。本特集では総力取材で今後の展開を予測した。

5月初め、米国の対中145%関税の対象とされる貨物船が入港し始めた。米CNNの報道によれば、ロサンゼルス港では貨物船のキャンセルが相次ぎ、6日時点で移動中の船の貨物量は昨年比で半減。「世界の工場」中国との間に高い貿易障壁を設けたことで、米国では物不足と物価高が予想されていた。

米中両国は、貿易交渉を要請した、いや頼んでいないと言い争う相互応酬を経て、10日にようやくスイスで会談した。米国はベッセント財務長官、中国は中央政治局委員で経済担当副総理の何立峰を派遣。今回は、互いに関税を115%引き下げたうえで、一部については90日間かけて交渉を続けると合意した。

過去40年以上かけて培った経済的相互依存関係が壊れれば、どちらの国も国民生活が苦しくなるし、だからこそ交渉のインセンティブが生まれる。そのため米中間の「ディール」の成立に期待する声は大きい。トランプもそこに期待をかけて中国に譲歩を迫った。

だが、トランプは中国の考えを見誤った。北京の動きを見る限り、習近平政権はディールで譲歩する気がない。それどころか、米国との徹底的な対決の意思を着々と固めてきた。

中ロの鏡に映る米国

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