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トランプ政権で台頭する陰謀論、次は「悪魔」が流行か。未確認異常現象、パンデミック、9.11…

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(写真:Sarah Rice/Bloomberg)

地球が丸いという事実に疑問を投げかける人物は、10年前なら政治の世界から排除されていただろう。ところが今は、そのような人たちがジョージア州とミネソタ州で共和党の地方組織を動かす立場となり、アラバマ州では公職を狙うようになっている。

長期にわたる調査によって事実でないことが立証されているにもかかわらず、2001年9月11日の同時多発テロはアメリカ政府による自作自演だと主張する著名な極右活動家が昨年、大統領ドナルド・トランプと並んで9.11の追悼式典に参加した。

そして、保健福祉長官ロバート・F・ケネディ・ジュニアは先月、いわゆる「ケムトレイル」の対策を同省として支援すると表明した。ケムトレイルというのは、陰謀論者たちが飛行機雲に対して使っている言葉で、飛行機雲は実際には有害な化学物質が散布されたものであり、背後には邪悪な目的があるというのが彼らの説だ。その誤りはすでに立証されている。

陰謀論者たちが閣僚になった重み

以前なら雑多な匿名ネット掲示板に追いやられていた陰謀論が、今では権力を備えた人々によって支持され、大っぴらに語られるようになっているのだ。中でもトランプは、そうした陰謀論を担ぐ人物を歓迎し、昇進させ、閣僚に登用した。

マイアミ大学の教授として陰謀論を研究しているジョセフ・E・ウシンスキーは、「陰謀論が本当に問題になるのは、それを実行に移す権限を持った人々が口にするようになったときだ」と指摘する。「どこかの誰かが地球は平らだと考えようが、『だからどうした?』といって相手にされないだろう。だが、権力を手にした人間がそのような陰謀論を唱えた場合には深刻な問題となる。幻想のせいで、多くの人々に害が及びかねないからだ」

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