トランプ・バンス体制を作った「極右思想」IT富豪 「トランプ後継」バンス副大統領候補の素顔(下)
バンスを変えたIT富豪ピーター・ティールとの出会い
バンスの政界進出に際してパトロンになったのは右翼で80億ドル(約1.2兆円)の資産を持つハイテク大富豪ピーター・ティールである。彼はバンスのビジネスと思想の両方のメンターでもある。バンスが上院議員選挙に出馬するとき、1500万ドルの資金を寄付している。
トランプとバンスの橋渡しをしたのも、ティールである。ティールはトランプを説得し、トランプも最終的に共和党予備選挙でバンス支持を表明した。当時、メディアは、バンスを2020年の選挙結果を否定するトランプ派の候補者として紹介している。
バンスの“変節”の背後にティールの存在がある。2011年、イェール大の法科大学院の学生だったバンスは「大学で時間を無駄にすべきでなく、IT業界で働くべきだ」というティールのスピーチを聞き、大学生活に不満を抱いていたバンスは感動し、彼にメールを送った。ティールはバンスをカリフォルニアに招待した。ティールとバンスの出会いである。
バンスは大学院を卒業した後、短期間、連邦判事の事務官として働いたが、サンフランシスコに移り、ティールの持ち株会社ミスリル・キャピタルに就職した。そこでバンスはティールの思想の影響を受け、保守思想を受け入れるようになる。アメリカのメディアは「バンスはティールが作り出した(Vance is a Thiel’s creation)」と書いている。その後、バンスは故郷オハイオ州に戻り、自分のファンド会社ナルヤ・キャピタルを設立する。ティールは、そのファンドに出資している。
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