スーパー台風、線状降水帯、ゲリラ豪雨…日本に迫る危険な水害 《水害発生率98%》時代の今「あなたの町も例外じゃない…」

日本では、地球温暖化が原因と考えられる台風や豪雨が増えており、水害への備えを強化する必要があります(写真:mirai4192/PIXTA)
近年の日本では、毎年のように大きな豪雨被害が発生しています。台風や豪雨の被害から身を守るためには? 雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官の荒木健太郎氏は「防災とは自然を知り、正しくおそれ、向き合うこと」と考えています。
本記事は、自然災害への備えを解説する新著『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』から一部を抜粋・編集。水害の原因を知り、身を守るために役立ててください。
大雨や台風による水害を起こす雲は「積乱雲」

(『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』より)
災害といえば真っ先に地震を思い出す人が多いと思います。しかし大雨や台風による「水害」にも注意が必要です。2012年〜2021年の10年間だけでも、日本の約98%の市区町村で水害が発生しています。日本に梅雨があること、台風の通り道であることが関係しています。
まず、水害などの災害をもたらす典型的な雲は「積乱雲」です。雷を伴うため「雷雲」とも呼ばれています。青空が急に暗くなり、土砂降りの雷雨や「ゲリラ豪雨」になったら積乱雲が原因です。
積乱雲の正確な予測はまだ難しいのですが、天気予報で「大気の状態が不安定」「ところにより雷」「竜巻などの激しい突風」というキーワードを見聞きしたら天気の急変に注意してください。
積乱雲が発生するしくみを知ることが、天気の急変を察知するヒントになります。まず低い空の暖かく湿った空気が冷たい空気や山などに持ち上げられ、モクモクした「積雲(わた雲)」が発生。ある高さを超えると自力で上昇できるようになり、さらに発達して積乱雲になります。
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