「餃子」だけじゃない宇都宮。一人の男性がじわりと育てた《町の新しい顔》は餃子のイメージとは異なる意外なもの

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餃子と紅茶
宇都宮といえば餃子を思い浮かべる人も多いだろうが……(写真:筆者撮影)

「宇都宮」のイメージ、と聞かれると、総務省の家計調査でしばしば日本一に輝く餃子を思い浮かべる人は多いだろう。しかし実は紅茶も、同調査で2008~2010年平均の消費量が日本一になった町である。それもわずか数年前、2005年には43位だったにもかかわらず。

一時の熱が引いたとはいえ、紅茶を楽しむ文化は着実に浸透しているようだ。

「以前はなかった、ティーバッグに頼らず茶葉を測って淹れる、銘柄を記載する、といった本格派の店がいくつもある」「メニューでコーヒーより前に紅茶を記載する」「紅茶を置く餃子店もあります」とワイズティーネットワークの根本泰昌社長は話す。

実は宇都宮を「紅茶の町」にするべく、門外漢だった紅茶輸入販売・ティールーム経営を始め、シャッター通りだった商店街に活気を取り戻させた立役者である。そこで、餃子の町で紅茶による町おこしを成功させた根本社長の試みに焦点を当てたい。

紅茶で町おこしを目標に起業

同社の紅茶専門店「ワイズティー」は、JR宇都宮駅から徒歩20分のオリオン通り商店街のビル2階にある。紅茶やハーブティーなど常時100種類ほどを扱い、紅茶教室も開く。

店内の様子
紅茶専門店「ワィズティー」の店内(写真:筆者撮影)

近年は「紅茶もおいしく淹れて出したい」と受講する飲食店関係者が増えた。そのほか同社では、インターネット通販、日光市オリジナル紅茶缶や東京駅100周年記念紅茶缶といったご当地企画だけで58種類ものタイアップ商品を開発してきた。

ワイズティーネットワークはまず、紅茶販売店として2006年5月に開業し、2007年7月に現在の場所に移転しティールームも開業した。シャッター街の2階なのにあえて宣伝しなかったため来店者は少なく、雨の日は5人しか来なかったこともあった。

そんな頃、「久しぶりにリーフティを出す店に出合えた」と喜ぶ高齢客がいた。根本社長が聞くと、2002年12月に閉店した西武百貨店宇都宮店にあった店では、ティーバッグを使っていなかったそうだ。

【写真】餃子の街・宇都宮のにぎわいや、"紅茶の街"を目指して開発されたワイズティーの商品など(18枚)
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