会社から「アイデアを否定され続ける人」の弱点 「自分のやりたいこと」を実現するための教え

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確かに、組織に属し続けていると、せっかくのアイデアを組織の論理で潰されてしまう、ということは起こり得ます。でも、「その程度」のことで潰されてしまうアイデアというのは、結局日の目を見ない可能性がある、という考え方もありえます。

また、組織の中で「抑えつけられる」ことによって、逆にアイデアがある種の「熱量」を帯びていくということもあリます。

例えば、無理解な上司がいる職場では、若手たちは新しいアイデアを、上司に秘密で話し合うでしょう。そうやって「隠す」ことによって、そのアイデアはどんどん熱量を帯び、エネルギーを蓄えていくようになります。「言えない」「言ってはいけない」という、ある種の<秘密>を共有した人の間には「チームとしての連帯感」が生まれ、そのチームはどんどんクリエイティブになっていきます。

かつてフロイトは「抑圧された性的なエネルギーこそが、クリエイティビティの根源である」という衝撃的な説を唱えました。僕は基本的に、アドラー心理学を学んだ立場ではあるのですが、人間の創造性、クリエイティビティにまつわる洞察について、フロイトの説は今読んでも、示唆に満ちていると感じます。

新しいアイデアを抑えつける組織の中でも(もちろん明確なパワハラは論外でしょうが)、粘り強く自分なりのアイデアを育て続けることは、実は大きな成功のためには、欠かせないプロセスかもしれないのです。

熱量を保つには「好き」が欠かせない

大きな成功につながるアイデアは、「8割の人が反対しているようなアイデア」だと最初に述べました。では、そうした反対の多いアイデアを「長い時間と労力をかけて形にしていく」ために必要な心構えとは、どのようなものでしょうか。

ちょっと想像をしてみてください。少なからず多くの人たちから「あの人、ずっとよくわからないことやってるよね」「もっと貢献できそうなことがほかにもあるだろうに」という白い目に囲まれたまま、長い長い日々と労力を注ぎ込む。しかも、片手間ではなく、あるレベル以上の熱量を保ち続ける日々……。

ちょっと想像しただけでも、大変なことですよね。周囲からの理解を得られない状態で、あるレベル以上の熱量を、年単位で費やしていく。そんな日々を支えるには、揺るぎない、精神的な「支え」が必要です。

ここで必要なのが、対象への愛情です。こうした地道なチャレンジを長期にわたって続けるには、「好き」という感情が欠かせないのです。

研究に取り組むことが好き。

考えることが好き。

この作業が好き……。

新しいことにチャレンジし、それを形にしていくプロセスを支えるのは、対象への「愛」にほかなりません。客観的には不遇の時代であったとしても、そうやってチャレンジする時間そのものを、充実して、楽しく過ごせているかどうか。それが、チャレンジを形にできるかどうかを分けるのです。

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