ゆとり世代が「自分は恵まれない」と思う理由

世代論を作るのはいつだってオッサン世代だ

例えば、上司が定年間際の方でしたら新人類、50前後ならバブル、40前後なら氷河期と様々です。新人類なら20代で高度成長期後のオイルショックなどを経験しています。今と比べればマシかもしれませんが、けして順風満帆な時期ではありません。

バブル世代はその名の通り20代でバブル景気を経験しており、そういう意味では若いうちにいい目を見たとも言えるかもしれませんが、その後、脂の乗り切った時期に不況を経験しているリストラ世代でもあります。氷河期世代は、バブル後の不景気時代に育っていますが、2008年のリーマンショック前の数年間、いざなみ景気と呼ばれる好況期もありました。世代ごとに良いことも悪いこともあったことがわかります。

若者が「恵まれていない」と感じる理由

これに対し、いわゆる「ゆとり世代」の若者は、幼少期にいざなみ景気を経験してはいますが、物心がついていたかどうかわかりません。ようやく大人になった頃には長く続くデフレ不況真っ只中で、好景気を経験していません。

厚生労働省の調査では、サラリーマンの年収は2001年に平均500万を超えてピークとなった後は、徐々に減少を続け、平成29年度調査では432万円となっており、待っていれば自然に給料が上がる時代でもありません。

少子化により年金や医療費などの負担は徐々に増え、今の若者達は支払った分を将来的にも回収できない可能性もあります。日本全体の人口減も現実となり、市場規模が小さくなることで消費も減少し、このままでいくと不景気はさらに続くかもしれません。確かに先の見えない暗い時代。そう考えると、やはり「確かに恵まれない世代」かもしれません。

ただ、若者世代にしても悪いことばかりではありません。少子化による人手不足は求人倍率を向上させ、失業率を低下させます。求人倍率は1.88倍(2019年新卒対象、リクルート調べ。以下同様)と、いわゆる働き手側が強い「売り手市場」です。

先進国の共通課題と言われる若年層の失業率においても、20代前半で4.7%と、北米やEUなどの他の先進国平均で15%を超える現状(国際労働機関調べ)を考えると極めて良好と言えます。

ほかにも、大学進学率は、団塊ジュニア世代でも40%弱だったのが、現在では60%近くになっており、より多くの人が高等教育を受けることができるようになっています。経済的な面でも、俗に6ポケットと言われるように、少子化で増えた一人っ子の場合、父母に祖父母2組を加えると6人の「財源」があり経済的なバックアップをしてもらえる立場にいます。このように他世代が羨むようなこともあるわけです。

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