ゆとり世代が「自分は恵まれない」と思う理由

世代論を作るのはいつだってオッサン世代だ

つまり、結局のところ、若い世代も、オッサン世代と同じように「良いことも悪いこともある」世代なのではないでしょうか。どんな時代も似たようなものなのです。思えば、新人類もバブル世代も氷河期世代も、すべてある種の非難めいたニュアンスがあります。

先行世代が後進世代のことを悪く言うという現象は、プラトンが著書で述べていたとか、古代パビルス文書にそういう文面があったとか、まことしやかに言われるように太古の昔からあったのではないかと思います(このあたりは、実際には真偽のほどは怪しいらしいのですが、そう信じられるのは人々に思いたる節があるからでしょう)。

動機は、それぞれの時代におけるオッサン世代の人達の若い人への嫉妬や羨望ではないかと思います。私自身が感じることでもあるのですが、人は年をとるごとに頑固になります(とある適性検査でも、検証されています)。

自分の信じる価値を絶対視するようになるということですが、柔軟な発想を持つ若者達を見て、彼らに優越しようと思えば、「なってない」と相手を批判するしかないのです。

世代間対立なんて要らない

世代論を作るのは常にオッサン世代です。彼らは最初から結論ありきで、若い世代の人々がやることなすことにケチをつけます。その証拠に彼らの世代論は矛盾だらけです。直近の「ゆとり世代」でも、彼らを評する言葉を拾い集めると、「一体どっちやねん」と言いたくなります。

ある人は「自己中心的でわがまま」と言い、ある人は「対人摩擦を避けて従順」と言う。また、ある人は「自分で考えずに反応的」と言い、ある人は「自分の考えに固執してやりたいことしかしない」と言う。「根拠のない自信がある」と同時に「ストレスに弱い」とも言われる。何を見ても批判しようとしているから、矛盾した発言につながるのです。

世代間融和のスタートラインは、こういう偏見から逃れ、目の前の若者を素直に受け止めることです。そうすれば、言われなき批判を受けた若者達が、本当はそうでもないのに「恵まれていない世代」だとうそぶいて、オッサン世代に対峙することから逃げることもなくなるでしょう。

若者はいつか来た道、オッサンはいつか行く道で、道はひとつです。無意味な世代間対立を避けることができれば、どんな世代にとっても住みやすい世界になっていくのではないでしょうか。

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