日ハム、動き出す「新球場建設」の野望と課題 北海道ボールパークは2023年3月開業目指す
ボールパーク構想では、商業施設やホテルなどを備えて野球以外でも楽しめる多機能複合型施設とすることを想定する。福田社長は「新球場での試合開催は年間60~70試合程度。試合が開催されない日(休催日)にもにぎわう施設とすることが大切だ。
ボールパークを多目的施設とすることは、球団の持続的運営のみならず、地域活性化にもつながる。ボールパークはまちづくりに貢献する空間であるべきで、複合型施設とすることで地域ににぎわいをもたらしたい」との考えを示す。
さらに、「ショッピングセンターは周辺にいくつもあるため、新球場への併設は考えていない」としつつ、「野球観戦の前後や試合休催日に楽しんでいただけるレストランや店舗、温浴施設やグランピング施設なども併設し、北海道の自然を満喫できる施設を充実させたい」と語った。
具体例として北海道原産の食材を使ったレストランやファーマーズマーケットなど、『ここでしか味わえない、体験できない店舗』をコンセプトとしているそうだ。
「無料で観戦できるエリア」の設置も考えているという。たとえば、埼玉西武ライオンズや横浜DeNAベイスターズなどでは球場の外から観戦できる「パブリックビューイング」を鉄道駅などに設置しているが、無料観戦エリアを設けている球場は他にない。入場料収入が球団経営の大きな柱である現状からは、無料観戦エリアの設置は大胆なアイデアといえる。
野球観戦以外の楽しみ方を提案できるか
HBPの狙いは、併設施設の来訪者に観戦の機会を提供することでファンとなってもらうことにある。また、無料で試合観戦できることが広く周知されれば、少しの間だけ観戦を楽しんで、その他の時間を併設施設で過ごす来訪者の獲得も期待できる。消費者との接点をできるだけ増やすことが、これからのプロ野球にとって大切になるはずだ。
北広島市への本拠地移転で懸念される集客について、福田社長は「札幌市の人口は200万人弱だが、われわれが考えるのは250万人に及ぶ札幌都市圏からの集客だ」としている。
移転先のきたひろしま総合運動公園は北広島市はもちろんのこと、恵庭市や千歳市からもアクセスしやすくなる。また、新千歳空港からも近くなり、インバウンド客を含む道外からの来訪を促すことも期待できる。
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