日ハム、動き出す「新球場建設」の野望と課題 北海道ボールパークは2023年3月開業目指す

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
きたひろしま総合運動公園に建設予定の北海道ボールパークのイメージ(写真提供:(株)北海道ボールパーク)

プロ野球の北海道日本ハムファイターズは2018年11月、新球場(仮称:北海道ボールパーク)建設決定を発表した。2020年春より建設を着工し、2023年3月に開業を目指す新球場を、北広島市のきたひろしま総合運動公園に建設する予定である。

建設費用は約600億円、収容人数は約3万5000人で地下1階・地上4階となる。日本初となる開閉式屋根を取りつけた天然芝フィールドとなる予定だ。

ファイターズが掲げたボールパーク構想に対して、札幌市と北広島市がそれぞれ候補地提案に名乗りを挙げたが、北広島市の提案が選定されたのは、広大な敷地面積の土地の無償貸与や固定資産税・都市計画税の10年間免除などの行政支援が盛り込まれたことが高く評価された結果だった。

2018年3月にはボールパーク構想の事業化に関する調査を担う新会社「北海道ボールパーク」(以下、HBP)が設立されている。

球場移転の意義と課題は何か

ここで改めてファイターズが、なぜ現在の本拠地である札幌ドームを離れ、さらに札幌市中心部から離れた北広島市へ移転するのか、その意義を課題も含めて考えてみたい。

HBPの福田要社長は「理由は主に2つある。ひとつは、コンクリート地盤の人工芝は固いため選手への負荷が大きく、故障につながりかねない。天然芝のグラウンドにすることで選手により良いプレー環境を提供できるようになる。

HBPの福田要社長(筆者撮影)

もうひとつは、より良い観戦環境を整えることでサービスを向上させる必要性だ。

日本の多くの球場では特等席がグラウンドから離れた高層部分にあることが多いが、本来はグラウンドに面した場所に設置し、選手を間近で見られるようにすべきだ。

新球場ではこうした点を改善するべく検討している」と説明する。

新球場の事業化に向けて、日本ハムグループは電通と協業をしている。HBPには電通が29.63%出資するとともに、HBPへの人材の派遣も行っている。福田社長は「電通には、ボールパーク構想の事業化に関する調査・研究で協力を得ており、その流れで電通の参加が決まった」と経緯を話す。

次ページ複合型施設としてのボールパーク構想
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事