「球数制限」導入する新潟県高野連の思惑は? 導入に当たり懸念材料、日本高野連の動向も

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新潟県高野連が投手の球数制限を導入することを発表しました。写真はイメージ(写真:dramaticphotographer / PIXTA)

2018年末の12月22日、新潟県から野球界にとっての大きなニュースがもたらされた。

新潟県青少年野球団体協議会主催の「NIIGATA 野球サミット 2018」の席上で、新潟県高野連が、2019年の春季新潟県大会から投手の球数制限を導入すると発表したのだ。

2019年の春季新潟県大会では、1人の投手の投球数は1試合当たり100球までに制限される。

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この大会は、甲子園など全国大会とは直接関係がない、県内高校だけの野球大会だが、新潟県高野連が主催するれっきとした公式戦だ。

厳密には、北信越地区高等学校野球の新潟県大会だ。2018年は4月28日から5月2日までと、5月5日から13日までの2期に分け、県内79校(連合チーム3つを含む)が参加してトーナメント形式で行われた。日本文理が優勝し、関根学園が準優勝。この2校が北信越大会へと進んだ。

ちなみに球数制限は新潟県大会でのみ適用され、北信越大会では行われない。

なぜ「球数制限」は導入できなかったのか?

昨季の夏の甲子園は酷暑に加えて、投手の登板過多が大きな問題となった。準優勝した秋田県代表の金足農・吉田輝星は県大会から甲子園の決勝戦の5回までを1人で投げ抜き、その球数は1517球に上った。NPBのトップクラスの先発投手が半年間で投げる球数が3000球だから、この球数の異常さがわかるだろう。

大会の後、野球界やメディアから、球数制限の話が上がったが、日本高野連サイドは実現は難しいとの判断を示した。球数制限を導入すれば、チームに複数の投手が必要になる。部員数が多い私学ではそれは可能だが、部員数が少ない一部の公立高校では難しい。そのために格差が広がるというのが理由だった。

確かに球数制限を導入すれば、金足農の吉田のような例はなくなる。吉田が100球で降板していれば、金足農は甲子園に出場することさえかなわなかったかもしれない。

一方で、私学の有力校は2018年の大阪桐蔭が柿木蓮、根尾昂、横川凱と3人のドラフトでプロ入りした投手をそろえたのをはじめ、多くがすでに複数の投手をそろえている。導入しなくても、すでに戦力格差は明らかなのだが、球数制限を導入すれば、さらに格差が拡大するという理屈なのだ。

しかし、これは「勝利」よりも「選手の健康、将来を第一に考える」という「プレイヤーズ・ファースト」の理念からすれば、大いに問題があると言えよう。

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