「MLBが制定するPitch Smartなど、世界的に見ても、16~18歳の投手の投球数は多くて100球前後に定められています。私が調査・研究するドミニカ共和国では、この年代は60~80球ほどしか投げさせません。さらに投球数に応じて休養日数を設定しています(100球前後の場合は中4日か中5日)。
また、世界ではリーグ戦が主流で、1回負ければ終わりのトーナメント制を主流にしている国は日本以外には存在しません。そういった意味では、今回の決定は大きな一歩ではありますが、世界との違いからすると改革の入り口に立ったにすぎないのかもしれません。このような変化、チャレンジが、各都道府県、各年代の競技団体で今後活発に行われることを希望します」
日本高野連の動向に注目
年が明けて、1月5日には群馬県前橋市で「第1回ぐんま野球フェスタ」が行われたが。この会場でも「球数制限」の必要性が議論された。群馬県高野連も参加しており、今後の動向が注目される。さらにこのイベントで、全国軟式野球連盟の宗像豊巳専務理事が、学童軟式野球での「球数制限」に言及した。2月に提案されるとのことだが、この動きにも注目したい。
本記事を配信する直前の1月9日になって日本高野連から異論が発せられた。業務運営委員会の席上で、「球数制限」について議論をしたが、竹中雅彦事務局長は「『高校野球特別規則に載っていないことをやるのはどうか。データを集めて全国一斉にやるべきでは』という否定的な意見が多かった」と明かした。
日本高野連は1月24日に全国9地区の理事長の意見を聞き、2月14日の技術・振興委員会の議論を踏まえて同20日に理事会を開く。そこで決まった見解を新潟県高野連に伝達するという。「球数制限」導入の最終決定権は新潟県高野連にあるが、日本高野連の意向は軽々に扱うことはできないだろう。
日本高野連も「球数制限」の必要性は認識している。しかし、この組織は何事につけ「決定」と「行動」に時間がかかる。タイブレークの導入一つとっても、年単位で導入が遅れた。
「高校野球改革」の機運は高まっている。オープンな議論を行いつつ、早急に改革を進めてほしい。
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