美遠さゆりさんが卓球と出会ったのは、特別支援学校の高等部時代のこと。会話の理解に時間を要することから、小学生の時に知的障害の診断を受けた美遠さんですが、持ち前の運動神経によって卓球の実力が開花。昨年開催された世界大会では、リオパラリンピックの金メダリストを破るなど、障害者卓球の第一人者として期待を集めています。
一見、コミュニケーションに難はなく、見た目ではわかりにくい障害を抱える美遠さんのこれまでの半生。そして、来る東京パラリンピックにかける想いを、乙武洋匡が直撃しました――。
遊びで始めた卓球にのめり込む
乙武洋匡(以下、乙武):最近のご活躍ぶりからすると、こうしてインタビューを受ける機会も増えてきたのではないですか?
美遠さゆり(以下、美遠):そうですね、少しずつ。
乙武:うれしいですか?
美遠:うれしい、ですね。まだあまり慣れないですけど……。
乙武:美遠さんが卓球を始めたのは高校生の時。どういうきっかけだったのですか?
美遠:高校2年生の時の先生が卓球すごく上手で、休み時間に遊びみたいな感じでやり始めたんです。
乙武:卓球を始める前にも何かスポーツはやっていたんですか?
美遠:小学生のときは陸上やバレーボールをやっていました。
乙武:なるほど、もともとスポーツはお好きだったんですね。最初は遊び感覚からのスタートだったという卓球ですが、今や世界レベルで戦うようになりました。そのなかで取り組み方に何か変化はありますか。
美遠:最初のうちは試合に勝てなくて悔しい思いをしていたんですけど、いまはすごく楽しくて、卓球でいろんな国に行って、いろんな人と出会えることがうれしいです。
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