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ハンディキャップをものともしない強靭な体幹を求めて
乙武洋匡(以下、乙武):芦田選手はかねてから、「健常者に負けたくない」と公言していますよね。実際、右上肢障害というハンディキャップを抱えながら、これほど理論的に、そして徹底的に自らを鍛え上げているアスリートはまれなのではないかと思います。現在はどんなトレーニングを行っているんですか?
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芦田創(以下、芦田):僕の場合、右腕と左腕の質量が物理的に異なるため、どうしても走る際にバランスが乱れてしまいます。記録を伸ばすには、それをどうカバーするかが問題で、この冬はコアトレーニングを徹底しました。右腕にハンデがあるのは事実ですが、胸から下に関しては健常者と変わらないレベルで鍛えられるはずなので。
乙武:コアトレーニングとはつまり、体幹トレーニングですよね。
芦田:そうです。左右のバランスの乱れをものともしない、強い体幹を作り上げるのがベストだろうと考えたんです。これは発想の転換に基づいていて、リオデジャネイロ・パラリンピック以前までは、“2軸”で走るイメージを持っていたのですが、これを“1軸”に変えていくための取り組みです。
乙武:それは具体的にはどういうことですか?
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