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声の方向、角度から相手の位置を知る
小宮正江(以下、小宮):学生時代に読んだ乙武さんの『五体不満足』は、すごく心に残っている1冊で、まさかこうしてお話させていただく機会があるとは思っていませんでした。乙武さんは今も車椅子に乗っていらっしゃるんですよね?
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乙武洋匡(以下、乙武):ええ、ただ普通の車椅子とは少し違っていて、座面の高さを電動で昇降させることができるんです。いちばん高く合わせると、おおよそ身長170センチくらいの人と同じ目線になります。
小宮:あ、なるほど! だから少し上から声が降ってくるんですね。納得しました。
乙武:そうか、小宮さんは声の角度や方向から、話し相手の位置やご自分との距離感を測っているんですね。だから、下から聞こえてくると思っていた私の声が、思っていたよりも上から響いてきて驚かれた。
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小宮:私は相手との距離もそうですし、歩くときの周囲の状況も自分では確認できないので、自分の耳やサポートの人に頼らざるをえません。
その点、今日この部屋に案内いただく際も、乙武さんが廊下やエレベータの状況などをすごくわかりやすく説明してくれたので、歩きやすかったです。やはり、情報を伝えるのがお上手ですよね。
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