まるでSF!凄すぎる進化を遂げる「人体拡張」 パラリンピックがオリンピックを上回る日
伝説的なアニメ映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」では、身体パーツの人工物への置換が「義体化」として描かれているが、今、テクノロジーはそれが早晩現実となりそうな方向へと向かいつつある。
オスカー・ピストリウスを覚えておいでだろうか? 南アフリカ出身の陸上選手で、先天性障害のため生後11カ月で両脚をひざ下で切断したが、2012年のロンドン・オリンピックに、両脚に義足をつけて健常者と共に出場した。その義足の形から、彼は「ブレード・ランナー」と呼ばれた。
健常者に対して「アンフェアな優位性」をもたらす
ピストリウスはそれ以前からパラリンピックで活躍しており、健常者の大会に出場しようとしていたが、世界陸上連盟は2008年の北京オリンピックへの参加を却下している。理由は、彼の義足が健常者に対して「アンフェアな優位性をもたらす」可能性があるというものだった。
当時のピストリウスの義足はシンプルな炭素繊維製であった。しかし現在の義肢は、素材、センサー、コンピューティング、エンジニアリングといったテクノロジーの急速な進歩によって、当時よりもはるかに高性能になっている。
先進的な例としてヒュー・ハーを挙げよう。ハーは米国を代表する若手登山家であったが、登山中の事故で、ピストリウスと同様にひざ下から両脚を失った。
しかしその後彼はMITで機械工学修士を、次いでハーバード大学で生物物理学のPh.D.を取得し、その知識と技術を総動員して義足を開発した。
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