ホテルが増えたことによって、たとえば60代とか70代の保守的なお客様は、日本的な帝国やオークラを選択することもできますし、若い年齢層の方はモダンで、ニーズに合ったフォーシーズンズとか、パークハイアットを選択することが可能になりました。
競争が増えることはマーケットを拡大し、お客様がよりよいサービスを受けられることにつながるので、たいへんよいことだと思います。現在、われわれはガーデンプレイスの再活性化に取り組んでいます。今年はウェスティンガーデン(庭園)をオープンしました。
1980~90年代に、海外のホテルのマネジメント会社に投資する、信頼を寄せる決断、その勇気に敬意を表したいと思います。ウェスティンは海外ではブランドが確立していましたが、日本でどうなるかはわからない状態だった。アメリカの会社に仕事を委託する、ホテルを任せる決断をして、そのリスクを背負うのは、たいへん勇気のいることだったと思います。
結果として、パークハイアット、フォーシーズンズ、ウェスティンホテル東京はみな、成功を収めています。
毎日、最高水準を保つことのプレッシャー
――もう少し具体的に、そのホスピタリティについて聞きたいのですが。どうやって教育しているのですか? 総支配人が心掛けていることは?
従業員の教育に関しては、日本においては難しいとは思っていません。なぜなら、日本人は自然におもてなしを提供できる特性を持っているからです。私は中東やヨーロッパ、東南アジアの国でも仕事を経験してきましたが、ほかの国ではそうはいきません。
日本人は接客においては、たいへんポジティブな姿勢で取り組みます。笑顔も、そしてお客様の喜びもたいへん重要に思っています。レセプションやウエーター、サービスマネジャー、全員がサービスを提供することに誇りを持っています。
そして毎日、つねに一貫したサービスを提供することは、私のプレッシャーでもあります。マネジメント会社からだけではなく、オーナー、そしてスタッフ、お客様からも、そのプレッシャーを感じています。私たちは差別化を図るためにプロダクト、サービス、細部への心遣いを実践しています。
グッド・ホテル(よいホテル)はたくさんありますが、グレート・ホテル(すばらしいホテル)は数少ないと思います。
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