東京だけでも、星の数ほどあるホテル。どれも大差ないと思ったら、大間違い。一歩足を踏み入れれば、そのホテルにしかない、魅惑のストーリーが展開している。
レジャーとしてのホテルを知れば、より日常が楽しくなるはず――。この連載では、注目のホテルの総支配人を訪ね歩き、知られざるホテルの物語を発掘していく。
東京・日本橋にあるマンダリン オリエンタル 東京は、香港に本社を持つマンダリン オリエンタル ホテル グループが日本に初上陸。2005年12月にオープンしたラグジュアリーホテルだ。
外資系、国産を問わず、ホテルランキングではトップを独走。ミシュランガイド東京ではホテル格付け最高ランクの評価。米国の権威ある格付け機関(アメリカン・アカデミー・オブ・ホスピタリティー・サイエンス)からは、世界で初めての「六つ星」の最高評価を取得している。
実際にホテルを訪れると、施設面ではとにかく「作り込み」の激しさに舌を巻く。呉服の街である日本橋をイメージして、ファブリック(織物)が随所に使われている。1階エントランスからして、糸を使った巨大なオブジェがある。フロントやバーの照明、部屋のソファーにもそれぞれ趣向を凝らしたファブリックが。正直、こだわりすぎではないか、というほど徹底している。
いったいマンダリンオリエンタルとはどんなホテルなのか。英国紳士、アンソニー・コスタ総支配人に聞いた。
メディア初公開の隠し部屋
――まず、うかがいたいのが、この部屋。37階のマンダリンバーのあたりに隠し階段があって、降りるとワイナリーになっているのですね。忍者屋敷のようで本当にびっくりしました。
私はここが大好きなのです。静寂な空間で落ち着くので、よく来ます。5000本のワインがあります。
通常、この部屋は仕事には使いません。開業時に秘密の空間として作ったのですが、まだ公式に使ったことはありません。東洋経済さんが、ここでの初めてのインタビュー相手になりますね。
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