ホテル最高"六つ星"評価、マンダリンの秘密 メディア初公開の隠れ家ワイナリーも!

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私は京都に行くのが大好きです。だから京都やほかの観光都市へ進出する展望はあります。ただし理にかなっていなくてはならない。日本は世界で最も安くホテル運営をできるような国ではない。株主に対して採算性を説明できなければダメです。京都には出たい。だが計画には妥当性が必要です。

マンダリンオリエンタルは4月に上海で開業したのに続き、国際的なラグジュアリーホテルがない台北にも2013年中に進出します。2014年は北京にも予定しています。今後は、アジア近隣からもっと東京へお客様が来てくれるようになるでしょう。

成田にリムジンで往復すると10万円

――素朴な疑問ですが、アジア資本のラグジュアリーホテルですから、アジアからの宿泊客が多かったりするのでしょうか?

アンソニー・コスタ総支配人

面白い見方ですね。でも、あのペニンシュラもシャングリ・ラも香港資本ですよ。3つのラグジュアリーブランドが香港に拠点を持ち、互いの競争はそれは激しいです。

リッツ・カールトンやハイアットは米国マーケットに強いでしょうが、やはり競争は激しいです。アジアで日本の客室料金が支払える層は限られるから、まだアジアのマーケットがとりわけ重要という状況にはないのです。

5万円の客室料金はパリやロンドン、香港と変わらないかもしれない。しかし日本の場合、成田空港からのリムジンも5万円くらいかかります。これは経済を助けませんね。リムジンが往復で10万円。世界の主要都市では2万円ぐらいです。これが外国人の訪日を困難にしている。

羽田の国際化は喜ばしいことです。ここから近いですから。成田へは場合によっては2時間くらいかかってしまう。世界のほかの大都市なら、地下鉄などで15~20分で空港から都心へ入ることができる。日本は新幹線の速さは世界一でも、空港からのアクセスはよくない。東京にはすばらしいものがたくさんあるのに残念ですね。

アジアの国々の観光立地競争は激しい。だから旅行業界を挙げて、東京や日本を訪れやすい、(インバウンドの)コストを賄える都市にしていかなくてはいけない。都市としての競争力をもっと高めてほしいですね。

(撮影:梅谷秀司)
 

筆者が手掛けた東洋経済オンラインのホテル連載が、電子書籍「1泊10万円でも泊まりたい ラグジュアリーホテル 至高の非日常」(小社刊)になりました。10万円以上するような部屋に泊まりたいと思わせるラグジュアリーホテルの魅力とはいったい何なのか。厳選9ホテルの総支配人たちが大いに語っています。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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