お台場にカジノを作れば、日本は二等国になる HIS澤田会長、首都へのカジノ建設に異論

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さわだ・ひでお 1951年、大阪府生まれ。80年に旅行会社(現在のエイチ・アイ・エス)を創業し現在会長。ハウステンボス社長を兼務している。

多くの自治体がカジノ導入の検討を進めている。中でも最有力候補として衆目が一致しているのが、東京お台場だ。しかし、エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄会長は、首都へのカジノ設置に真っ向から反対している。

HISは行き詰まっていた長崎県佐世保市のハウステンボスを2010年春に買収。初年度から黒字化を果たした。現在、澤田会長は九州の官民で構成する西九州統合型リゾート研究会と足並みをそろえ、ハウステンボスへのカジノ誘致に奔走。「カジノで地方活性化を」の持論をブチ上げる。

──日本でもカジノ解禁が現実的なものになりつつあります。

カジノ解禁は10年越しの議論。僕からすると政府はまったくスピードが遅い。ようやく動き出した、という感じです。

海外ではマカオやシンガポールが大成功しており、すでにほとんどの国にカジノはある。有力なカジノリゾートがお互いに競い合っている状況だ。小さなカジノであれば、スイスやカンボジアにもあるが、いずれも日本が目指すようなカジノではない。やるのであれば、世界中から観光客を引き付けるような、エンターテインメントやアミューズメントを併せ持つ大規模な統合型リゾート(IR)だ。中途半端なものでは、世界から客を集めることなどできないと思う。

ラスベガスも、一部のハイローラー(高額を賭けるギャンブラー)の客はいるものの、カジノだけでなくアミューズメントも含めた観光地として発展している。総合的なエンターテインメントとしてバランスよく運営することが重要だ。

長崎県と佐世保市は県市一体となって、ハウステンボスにカジノとエンターテインメントが一体となったIRを作ることを提案してきた。これには地元財界も賛同しており、九州全体として見ても、ほぼ一枚岩になっている。

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