お台場にカジノを作れば、日本は二等国になる HIS澤田会長、首都へのカジノ建設に異論

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カジノとエンタメの両刀 長崎にはインフラがある

──しかし、巨大なIRが長崎で成り立ちますか。

世界的なIRには最低でも3000億~4000億円規模の投資が必要とされている。ハウステンボスには1992年の開業までに2200億円が投じられており、破綻後に最初のスポンサーになった野村プリンシパル・ファイナンスも300億円投資した。過去にこれだけ投資をしている点が大きな強みだ。

ハウステンボスの近隣にはカジノを二つ建てるための土地を用意している。空港や道路など、インフラもでき上がっている。長崎県や佐世保市はどれくらい航空機を飛ばせばいいのか、どれくらい道路が混むのか、どの程度船を港に寄せればいいのか、研究している。ここまで進んでいる自治体はほかにありません。基礎的なものができているため1~2年でカジノを開業できる。

──HISグループだけが稼ぐことになるのでは?

そうではない。基本的にカジノ運営は専門業者に任せる。プロに頼んだほうが賢明だ。集客力のある業者に提案してもらい、2社くらいを県や市が選ぶ形にすればいい。

カジノとハウステンボスが同じ敷地内で隣接している点が重要なポイントになる。家族旅行の場合にはお父さんはカジノを楽しみ、家族はショーを見たりバラ園などを散策したり、という具合にテーマパークを楽しむことができる。

──カジノ開設に対しては、根強い反対意見もあります。

確かにカジノには問題も多い。ギャンブル依存症などの問題も発生すると思う。プラス・マイナスの両面がある。しかし、米国だけでなく、ドイツやフランス、英国などにもカジノはある。そうした国でも依存症の問題はあるが、だからといって止めた国はない。交通事故があるからといって自動車を作るなとはならないのと同じ。危険だからこそ、年齢制限、反社会的勢力の排除などを厳密に行い、マイナス面をできるだけ小さくする努力が必要だ。

その意味で、私は人口密集地帯にカジノを作るべきではないと思っている。カジノが家から通えるような所にあると、毎日のように入り浸る依存症患者が膨大に生まれるかもしれない。しかし、ハウステンボスのように交通費と時間をかけなければならない場所にあれば、観光でしか来られない。

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