私が個人的に好きなのは「鮨 そら」。理由は、シェフや酒ソムリエといった従業員たちが、食材の魚の違いなど料理を丁寧に解説してくれるからです。
大切なことは、どうすればお客様に喜んでいただけるかを理解すること。「どこかで食べたいんだけど」とだけおっしゃるお客様に、何が好きなのか、どれくらいおなかが減っているのか。モラキュラーフードをお試しになったことがあるのか、などと、こちらからご相談できるかどうか。顧客の嗜好を知るための、良好な関係作りが欠かせません。
バランスがサイエンス
――ヘビーユーザーはマンダリンオリエンタルのどこが気に入っているのでしょうか。
お客様のリピート率は高いです。海外からの法人のお客様もそうです。日本の観光目的の個人客は新しいホテルが好きなので、つねに新しい提案をしていかないといけない。サービスや商品の品質がよくなければ、お客様は二度と来ない。お客様の年齢、嗜好をよく知って、希望にかなうことをしてさしあげられるかどうかです。
新しいお客様の開拓ももちろん大切です。バンコクのマンダリン オリエンタルは130年以上の歴史があり、何世代にもわたって利用されています。東京は2005年に開業してまだ8年ですが、今のお客様のお子様とか、祖父母に連れられてきたお孫さんが顧客になっていいただくことが大切です。
ツイッターなどソーシャルメディアも活用していきます。バランスがサイエンス(科学のように緻密で絶妙なもの)なのです。
――最近、東京、大阪や京都でスターウッド、マリオット、ハイアット、インターコンチネンタルなど外資系ラグジュアリーの進出ラッシュですが、どう評価していますか?
難しい質問ですね。マンダリンオリエンタルはそれほど大きなホテルグループではないので、同じ土俵では評価できません。ほかのグループにとっては、京都や大阪に進出することに価値があるのでしょう。問題は、各社が京都に出て行ったとして、365日そこでビジネスがあるのかどうか。
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