世界最高齢83歳プログラマーが現役のワケ 人生100年時代、セルフラーニングのすすめ

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そしていざ学ぼうと思ったときには、「子どもからでも、孫からでも教えてもらう」姿勢がとても大切です。「先生」というのは、先に生まれたから先生ではありません。あくまで自分が学ぼうとする分野で「自分より先にいる人」が本当の先生なのです。以前こんなことがありました。7歳の少年が近所のお母さんたちに、プログラミングを教えることになりました。お母さんたちはその子どもに丁寧に頭を下げて、「どうぞ、よろしくお願いいたします」と言ったのです。すごく良い話だと思いませんか?

少しでもできるようになったら「教える人」になろう

「教えることは、学ぶこと(できるようになったら人に教えよう)」。最後にこの言葉を送りたいと思います。

若宮さんがエクセルで描いたデザインで製作した団扇と手提げ袋(筆者撮影)

英語でも音楽でも、何かを学んで少しでもできるようになったら、誰かに教えることをお勧めします。完全にできてからでなくてもいいのです。人に教えることで自分の足りない部分もわかり、それがまた次の学びにつながっていくのです。

私もパソコンを独学で学んだあと、近所のシニアの人たちを集めて自分が覚えたことを教えたことがあります。シニアの皆さんには喜んでもらえたし、自分自身もとても勉強になりました。これはぜひお勧めしたいことです。

今の時代、「人生100年時代」という話になったとき、若い世代も60歳以上のシニア世代も、あまり良くないイメージを持っている人は少なくないかもしれません。将来の年金や医療、介護の問題など、不安になる要素は確かにいくつかあるでしょう。そうした課題を前にして学び続けることに、ネガティブな気持ちになる人もいることでしょう。

ベストセラー『ワーク・シフト』『ライフ・シフト』の著者リンダ・グラットン氏の来日記念シンポジウム(参加費無料)が12月5日に行われます。クリックすると登録サイトにジャンプします

ただ、私がお伝えしたいのは、人生100年時代をネガティブにとらえるのではなく、いったんその発想は置いておいて、ポジティブにとらえ直してほしいということです。その前向きな気持ちから、自然と学ぼうという意欲が生まれてくるのだと思っています。

私自身は、人間として生まれた以上、それを貴重なことと考えて、"フルコース"でこれからも人生を堪能していきたいと思っています。

高見 和也 東洋経済 記者

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たかみ かずや / Kazuya Takami

大阪府出身。週刊東洋経済編集部を経て現職。2019~20年「週刊東洋経済別冊 生保・損保特集号」編集長。

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