自己紹介が記憶に残らない人と残る人の大差 石川善樹が考える「自己紹介」の奥義

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横石:次に、自己紹介には大きくわけて2つの型があると覚えておいてください。すぐに実現できる未来、つまり「自分はどうなれるのか?」という関心を惹きつける「ベネフィット訴求型」と、遠い未来に実現できる夢を語り、共感し、応援してもらう「ビジョン訴求型」です。

そして、どちらの型を取るにしても、共通する「理想的な自己紹介のフロー」があるので、ぜひ覚えておいてください。その頭文字をとって「AIMAT(アイマット)」と名付けているものです。

1:Attention(=「この人は興味深い人だ」と注意を呼び起こす)
2:Interest(=「もっと話を聞いてみたい」「聞いてほしい」と関心を集める)
3:Memory (=相手に覚えてもらう)
4:Action(=アポを入れ、再会する)
5:Trust(=話し合いや商談、相談等にスムーズに入れる)

仕事にせよプライベートにせよ、初対面の人と3〜5のステップを踏めれば大成功なわけで、そのためには1のAttentionと2のInterestが非常に重要であり、それを相手に喚起させることが、自己紹介の目的と言えるわけです。

では、何を話せば相手のAttentionとInterestを引き起こせるのか。もうお気づきかもしれませんが、「自分のこと」ではなく、「未来のこと」を話せばいいわけです。もっと言うと、「自分が関わることで、相手がよりよい未来を描くこと」ができれば、自己紹介は成功だと言えるでしょう。

最後に、「誰でもできる自己紹介3点論法」をお伝えして締めたいと思います。この順番で自己紹介を構成するとうまく相手に伝わるのではないでしょうか。

1:自分が提供できる価値(未来を紹介する)
2:それを達成するための実績(過去を紹介する)
3:聞き手にいますぐ取ってほしい行動(現在を紹介する)

石川:これはおもしろいですね。例えばマッサージ師だったら、「私はあなたを気持ちよくできます。なぜなら私は、1万人を揉んできましたから。さあ、肩をみせよ!」みたいなことですよね(笑)。会いたくなりますね、これは。すぐ肩を出しますよ。

横石:すぐ肩出しますね(笑)。

石川:人は弱いので、ついつい自分を理解してもらいたいと思ってしまうけれど、最強の自己紹介をするためにはそこに抗う観点が必要、ということですね。おもしろい。

横石:そうなんです。自己紹介のことを「自分を紹介すること」だと思っていたのだとすれは、これからは、「未来を紹介する」という視点を含めていただければと思います。

キーワードは「対立、葛藤、展開」

石川:横石先生、どうもありがとうございました。続いて、福井さんにご登場いただきます。

先程も申し上げましたが、福井さんとは、昨年から講談社のマンガ雑誌『モーニング』についての研究をおこなっています。『モーニング』というのは、創刊以来、平凡なキャラクターの非凡な物語を描いているんです。ちなみに『週刊少年ジャンプ』は、非凡なキャラクターの非凡な物語を描いていますよね。それに対して『モーニング』の登場人物たちは、基本的に普通のキャラクターが出てきて、毎度のエピソードを重ねるなかで、結果として非凡な物語になっていくわけです。

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