人生100年時代、「自己紹介」は最強のスキルだ 共感を呼ぶ「キャラクター」の秘訣とは?
なぜ「自己紹介」を研究するのか
――石川先生は予防医学が専門ですが、なぜ「自己紹介」を研究テーマにしたのですか。
石川善樹(以下、石川):プレゼンでもスピーチでもなく、自己紹介というものの本質とはなんなのか、そこに興味を持ったのは、ほかならぬ自分自身が自己紹介に困った経験があるからなんです。
日々生きている中で、発言の内容や、その話し方、話を聞いているときの振る舞いなどを通して、人は無意識のうちにいろんなことを他者に対して紹介しているわけですが、いざ「自己紹介しよう」と思うと困る。なぜ困るのか。それは、自分が何者でもないからなんですよね。
全国的に著名な方は、自己紹介したことがないと思います。それは、その人が何を成し遂げたのか、みんなが知っているからです。でも、普通はそうではないから、ほとんどの人は自己を紹介しなければなりません。こう考えると、自己紹介というものの理想の状態は「自己紹介しない」ということかもしれませんね。
僕が特に困ったのは、違う業界の人と会ったときです。僕は、数年ごとに、所属しているコミュニティががらりと変わる人生を歩んでいるのですが、学生の頃は、まったく新しいコミュニティの人たちの中へも問題なく飛び込んでゆけたのに、社会人になるとそうはいかなくなってきました。
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