自己紹介が記憶に残らない人と残る人の大差 石川善樹が考える「自己紹介」の奥義
「○○さんの知り合いです!」の危険性
もし、「自己紹介とは何か?」と問われたら、「他者とのファーストコンタクトに際し、自らを理解してもらったり、興味を持ってもらうためにおこなう行為」というのが、最大公約数的な回答になるだろうか。
そんな自己紹介について、ある日、予防医学博士の石川善樹氏は興味を抱く。自己紹介は、今日においてあまりにも当たり前の行為のため、改めて考える機会を持つことがなく、それ故、無意識のうちに誤解を生んでいたり、機会損失をしている可能性があるのではないかと気づいたからだ。
石川:例えばセミナーに参加すると、終わった後に、参加者の方々はよく、講師と名刺交換をするじゃないですか。その時、『僕は○○さんと知り合いなんです!』と、講師の方と共通の知り合いの名前を挙げる人って、わりといますよね。それについて、ある方がこうおっしゃっていました。『あれって、正直失敗しているよね。だって、その共通の知り合いから、僕はあなたのことを一度も聞いたことがないのだから……。それってつまり、“共通の友人が話題にすら挙げない人”なんだということを、暗に言っているわけだよね』。えらく厳しいことを言うなと思いましたが(笑)、確かにその通りかもしれないと感じました。
共通の知り合いを挙げて、『ああ、あなたがあの○○さんですか!』と言われるのであればオーケーなんですよ。でもそうでないなら、失敗なんです。そんな風に、意外と無意識でやっていることで失敗しているケースが、自己紹介にはあるのではないでしょうか。
あと、自分が仕事でやっていることを延々話す方もいますよね。その場合も、『あなたの仕事はよ〜くわかった。……で?』となるわけです。『それがあなたのゴールなんですか?』と。