デキるあなたが「無能な管理職」に転落する日

「イマイチですね」の烙印から逃れられるか

「無能」と呼ばれてしまっているあの人も、現場時代は実はとても有能な人だったかもしれない(写真:PeopleImages/iStock)

予備校講師でありタレントとして有名な林修氏が、あるTV番組で「世間には無能な管理職があふれている」というテーマを取り上げていました。その解説に登場したのが「ピーターの法則」。筆者には忘れることのできない社会学の法則です。

この連載の一覧はこちら

ローレンス・J・ピーター氏が著書『The Peter Principle』で提唱したもので、企業などの組織に属する社員たちが有能と評価され、能力の限界まで昇進するものの、その限界である階層において無能化し、機能しなくなるというもの。

先ほどのTV番組で林氏は、営業職をケースに売り上げ成績の高さで主任~管理職と昇進していくなか、大半の人はピーターの法則に陥ると指摘。番組では私見も含め賛否に分かれ盛り上がりましたが、改めて、昇進とは何を意味するのかを考える機会となりました。そこで今回はピーターの法則をどのように克服するか、について考えてみたいと思います。

違う能力が必要になる

「名選手、必ずしも名監督にあらず」……との名言がスポーツ界にはあります。例外はあるものの、野球界で活躍した選手が監督になって大成しなかったいうケースはあふれています。

選手として期待されるプレーと、監督に期待される采配に求められる能力には大きな違いがあるからです。

古い話ですが、スーパースターであった長嶋茂雄選手が引退して監督に就任した1年目のチーム成績は最下位。世間が「長嶋氏も格言どおりになった」と大騒ぎしたことを筆者は覚えています。

その後も同様の事象はよく起きていますが、つまり、スポーツ界にもピーターの法則が当てはまるということなのでしょう。これがビジネス界であればどうか? やはり、当てはまる場面にたくさん遭遇します。

先ほどの林氏の指摘は典型的で、昇進後に活躍できずに低迷する社員の多さに悩む人事部の話をよく聞きます。でも、どうして法則にはまるのか?

次ページ現場と管理職
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • ブックス・レビュー
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
半導体狂騒曲<br>黒子から主役へ

情報通信に欠かすことのできない半導体。可能性は広がる一方、巨額のマネーゲームの様相も強まっています。国の命運をも左右し始めている激動の業界。日本と世界で今何が起こり、どこに向かおうとしているのかに迫ります。

東洋経済education×ICT